里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】職人と高校生がつくる 三重県産の寿司を味わう

〈『DoChubu』2014年5月15日更新、2020年5月16日加筆修正〉

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地産地消に力を入れる三重県内の寿司店のネットワーク「三重すし街道」と、県立相可高校調理クラブの生徒たちが連携し、寿司を提供する「すし祭りinまごの店」。毎年大人気のイベントの模様をレポートします。

三重の食材と寿司の魅力をPR

今年で5回目となる「すし祭り」は4月2日、同県多気町の「五桂池ふるさと村」で開催されました。三重の食材をアピールし、料理を学ぶ生徒たちに寿司の魅力を継承しようという思いから、毎年開催されている食のイベントです。今回は、主催の三重すし街道から13店舗20名の寿司職人、相可高校調理クラブから40名の生徒が参加しました。

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会場は調理クラブが運営する人気の高校生レストラン「まごの店」。五桂池ふるさと村の中にあります

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寿司種から酢飯まで、すべてに三重県産の食材が使われています

寿司の祭りがスタート

咲きほこる桜が目にまぶしい、穏やかな午後をむかえた五桂池ふるさと村。イベントの始まる30分前に、会場となる「まごの店」を訪れると、職人も生徒も準備で大忙し。さまざまな魚介を使った色あざやかな寿司が、熟練の技によってどんどんにぎられていくと、会場内には華やかな雰囲気が広がります。

「最高のすし祭りにしましょう!」。イベントの開始まであとわずか。心地よい緊張感がはりつめるなか、三重すし街道の代表・松田春喜さんが声をはりあげます。多くの人びとが待ちかまえる、たくさんの期待をのせた「祭り」が今年もはじまりました。 

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ベテランの職人が生徒に調理法を教える姿も見られました

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三重すし街道の代表を務める松田春喜さん。県内津市で「東京大寿司」を営んでいます

三重の新鮮食材が集まる

この日のために集められたのは、三重の新たな特産として注目を集める「伊勢まぐろ」をはじめ、サワラやアナゴ、ヒラメやサンマ、アワビ、ハマグリ、松阪牛など。県内の各地から、新鮮な旬の食材が豊富にそろいました。また、この春から出荷が始まった鳥羽市の「畔蛸(あだこ)の岩がき」や、生徒が調理した厚焼きたまご、アオサの味噌汁なども提供されました。

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三重の新たな特産、南伊勢町の「伊勢まぐろ」を使った寿司

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出荷が始まった「畔蛸の岩がき」も提供されました

おいしい寿司にみんなが笑顔

会場内は若者からお年寄りまでたくさんの人で満席となり、にぎわいではちきれんばかり。調理クラブの生徒たちがてきぱきと接客し、配膳します。あちこちのテーブルからは「おいしいね」という声が聞こえ、誰もが笑顔で満足そうに寿司を楽しむ姿が見られました。

隣の玉城町から、今回初めてこのイベントに参加したという女性は、「また来年来たい。お腹がいっぱいです」と、うれしそうに話していました。職人や生徒との交流もすすみ、会場にはたくさんの笑い声が生まれていました。

職人や生徒、お客さんが生みだす熱気のなか、計4回の食事会は無事終了。「ありがとうございました!」。会場を後にするお客さんたちを見送る、生徒たちの元気でまっすぐな声が響きます。今年も大盛況のなか、楽しい寿司の祭りが幕を下ろしました。

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あざやかな光沢をはなつ、食欲をそそるサンマの寿司

(新美貴資)

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