〈『DoChubu』2010年6月7日更新、2020年5月19日加筆修正〉
今月は、長野県木曽郡大桑村の特産品である「桜の花漬け」を使った料理を紹介します。みなさんは「桜の花漬け」を食べたことがありますか?摘んだ八重桜の花を塩漬けにしたもので、お祝いの席などで桜湯や吸い物に入ったものをいただいたことがある方も多いのでは。桜の良い香りと淡いピンクの色が目をひいて、料理のおいしさをより一層ひきたててくれる食材です。
そんな「桜の花漬け」を使った料理の1品目は「パンナコッタ桜」です。細かく刻んで入れた「桜の花漬け」の塩気が、パンナコッタの甘さと程よくマッチ!花漬けを加えることで桜の香りも楽しめる、これまでにない新たなおいしさで、さっぱりとした上品なデザートです。
ご家庭でも簡単に作ることができる一品です。ぜひ試してみてください。
☆レシピ
材料(3人分)
- 牛乳(50ml)
- 生クリーム(200ml)
- 板ゼラチン(4g)
- グラニュー糖(25g)
- ブランデー(少々)
- 桜の花漬け(15個)
【塩ジュレ】
- 塩水(桜の花漬けの戻し汁)(100ml)
- 板ゼラチン(1.5g)
作り方
【①】牛乳、生クリームを鍋に入れ、火にかけ温めます。戻したゼラチン、グラニュー糖を加えます。
【②】桜の花漬けを塩抜きします。細かく刻み、①に加えます。
【③】器に入れ、冷蔵庫で冷やします。桜の花びらが浮いて、底に沈まない状態まで固めます。
【④】②の塩抜き時の塩水でジュレを作ります。少量を上からかけて添えます。
食材の紹介
木曽川流域市町村の地元食材を使い、おいしくて簡単、手早くできるアイディア・レシピを名古屋調理師専門学校フレンチ専門の向山登教授が紹介します。
第5回目の食材は、長野県木曽郡大桑村でつくられた「桜の花漬け」です。現在、大桑村で唯一つくっている店が大和屋さんです。八重桜と塩のみを使い、昔ながらの製法を守りながらつくり続けています。花を摘むのは年に一度きり。摘んだ桜の花は塩に漬けて、温度の一定な半地下で貯蔵します。毎年、新しく咲いた、その年の桜を漬けて販売しているそうです。今回は、そんな「桜の花漬け」を使ったパンナコッタ、ご飯、サラダ、パスタの4品のレシピを順に紹介していきます。どうぞお楽しみに!(新美貴資)