里山川海を歩くライターの活動記録

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「天然VS養殖」をテーマにウナギを堪能 岐阜県下呂市金山町で「飛騨金山七河川合流博覧会」

〈『日本養殖新聞』2013年寄稿、2020年6月6日加筆修正〉

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会場で注目を集めた天然ウナギ

7つの河川が合流する岐阜県下呂市金山町で2013年8月10日、魚食や伝統漁法などを通して地元の風土や文化を体験するプログラム「飛騨金山七河川合流博覧会」(同博覧会実行委員会主催)の第1弾が開かれた。

「うなぎを腹いっぱい食べよう!天然ウナギVS養殖ウナギ」をテーマに、会場となった祖師野公民館には市内外から45名の一般、関係者らが参加。地元の馬瀬川上流、同下流、益田川、飛騨川、和良川の名の一般、関係者らが参加。地元の馬瀬川上流、同下流、益田川、飛騨川、和良川の5つの漁協の他、和良川の鮎を守る会、ひだ金山町づくり協議会、町観光協会の協力により催された。

プログラムでは冒頭、主催者を代表して長尾伴文さん(岐阜の川人文化研究会主宰者)が挨拶に立ち、開催趣旨や内容を説明した。

プログラムは第1部から5部まで構成され、川の恵みの話しと題して、長尾さんが「飛騨金山と釣りキチ三平 岐阜県のウナギ漁とウナギ食」、池戸賢一さん(馬瀬川下流漁協組合長)が「ウナギ放流」、山口隆士さん(馬瀬川下流域の清流を守る会代表)が「飛騨金山の川と魚」、尾関健治さん(関市長)が「川と魚を活かした街づくり」について話題を提供した。

伝統漁法の講座では、ウナギ捕りの名人である星谷泰徳さん、尾里集務さん、野村周平さんの3名が、独自の漁法を公開。漁具や仕掛けなどを披露しながら解説した。魚食の講座では、道の温泉駅「かれん」の料理人である中島健一さんが天然と養殖ウナギの調理を実演。参加者はさばきや炭火で焼く作業を見学した。

この日に集められた天然ウナギは地元で漁獲された9匹で、大きなものは1キロくらい。養殖物(中国産)とは異なるサイズに多くの人々が関心を示した。

続く宴会では、天然ウナギの蒲焼きと養殖ウナギの丼ぶりが提供され、その味や香りの違いに会場からは驚きの声があがった。貴重な天然物を口にした参加者からは、「甘い」「さっぱりしている」などの声が聞かれる一方、養殖物はコクがあって脂がのっており、どちらも好評で全員が舌鼓をうった。

この他、フリーアナウンサーの浅井彰子さんが地元に伝わる川と水の民話を朗読。魚食や漁法などの伝統に触れながら河川文化の創造に携わる「川ガール」に選ばれた金森舞さんへの委嘱状の贈呈などもあり、盛況のうちに閉会となった。

このプログラムの開催期間は2013年11月まで。今後も魚食や伝統漁法などをテーマに地元でイベントを開く予定にしている。

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プロの料理人が活きたウナギの調理を披露した

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さばかれた天然ウナギ(下)と養殖ウナギ(上)。大きさの違いが一目瞭然である

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炭火でじっくりと焼き上げられていく天然ウナギ。参加者は蒲焼きや白焼きで味わった

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参加者に提供された養殖ウナギの丼ぶり

(新美貴資)