里山川海を歩くライターの活動記録

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子供たちがウナギ100匹を放流 津うなぎ専門店組合が供養・放流会を開催

〈『日本養殖新聞』2015年寄稿、2020年6月19日加筆修正〉

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歓声を上げながらウナギを放流する子どもたち

うなぎ専門店組合主催の「うなぎ供養・豊漁願い放流会」が2015年8月24日、三重県津市内であり、地元の小学生と父母ら24組の親子が参加して開かれた。

供養と放流会は、同組合の加盟店によって60年以上にわたり続けられてきた毎年恒例の行事。ウナギについて理解を深め、身近に感じてもらおうと、昨年からは一般の参加を募り、今年で2回目の開催となった。

主催したのは、組合に加盟する5つの店舗(はし家、新玉亭、大観亭支店栄町本店、藤屋、両口屋)で、当日は三谷うなぎ屋高茶屋店も参加。企画・運営に関わった、地域コーディネーター・若林祐基さん(FAMIE)の協力で実現した。

クイズ形式の勉強会や放流会は好評で、イベントは盛況だった。会場となった津ヨットハーバーには前葉泰幸市長も来場し、全国有数の消費量を誇る地元の名物であるウナギをアピールして、放流にも参加。地元のローカルヒーロー・ツヨインジャーも駆けつけて、イベントを盛り上げた。

組合による供養が終わった午前9時より一般参加のイベントは始まった。勉強会では各店の店主らが、ウナギについて含まれる栄養や生態などの問題をだし、子供たちと質疑応答をしながら交流。続いて放流会が会場近くの海浜で実施され、子供たちは用意された親ウナギ100匹(愛知・三河一色産)を次々につかんで海へと放した。

参加した親子には、組合加盟店で食べることができるペアのうな丼券の他、5つの店舗が地元の米菓会社と連携して商品化した、ウナギの骨とたれを使った「うなぎあられ」がプレゼントされた。

イベントは2時間ほどで終了した。子供たちに「貴重なウナギを大切に食べてください」と話した組合長の上原正広さん(はし家社長)は、来年も引き続き開催したいと意欲を見せていた。

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参加した親子がウナギについて学んだ勉強会

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生きたウナギに興味津々の子どもたち

(新美貴資)