里山川海を歩くライターの活動記録

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一般参加のウナギ放流会を開催 「津うなぎ専門店組合」が親子を招いて実施

〈『日本養殖新聞』2018年寄稿、2020年6月26日加筆修正〉

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子どもたちは生きたウナギを手にして歓声をあげた

「津うなぎ専門店組合」主催のウナギ放流会が2018年8月27日、同市内の伊勢湾海洋スポーツセンターで開催された。

毎年この時期に一般参加を募って開かれているこの催しは、今年で5回目となる。企画と運営には、FAMIEの地域コーディネーター若林祐基さん、フリーアナウンサー大西祐子さんが協力した。

冒頭、参加した小学生の親子24組を前に主催者を代表して上原正広組合長(「はし家」社長)が「ウナギの赤ちゃんが捕れなくて頭を悩ませているが、ウナギの現状を知って触ってもらい、最後まで楽しんでください」と挨拶で述べた。

「うなぎ市長」のコピーがプリントされたTシャツを着て会場にかけつけた前葉泰幸市長は「津の市民はウナギが大好きで、みんなが集まるとウナギを食べに行く。ウナギが生活に溶け込んでおり、専門店ががんばることによって食文化が保たれている。ウナギを津の名物としてピーアールしていきたい」と話した。

また津市議会議員の岩脇圭一議員も挨拶に立ち、「ウナギ店の活動を応援していきたい」と述べた。

クイズ形式で行われた勉強会では、組合員の店主らが順番に「ウナギに多く含まれるビタミン」「ウナギ科の魚の特徴」「シラスウナギの大きさ」などの問題を出題。子どもたちは真剣な表情で選択肢のなかから答えを選んだ。質疑応答では「ウナギとアナゴの違い」や「ウナギはどうしてヌルヌルしているのか」といった質問が子どもたちから寄せられた。

その後、近くの海浜へ移動して行われた放流では、組合が生きた養殖ウナギの成魚約80匹を用意。子どもたちは歓声をあげながら手を伸ばし、父兄らが見守るなかつかんだウナギを次々と海に放した。

最後に参加者には組合加盟店のうな丼チケットと、組合が地元の米菓会社と連携して商品化した「夢のうなぎあられ」がプレゼントされた。

また8月末で閉業する組合加盟店「藤屋」の店主・田辺昭裕さんに前葉市長と上原組合長より、長年にわたり津のウナギ食文化を支えてきたことに対する感謝の言葉とともに花束と記念品が贈られた。

この日は放流会に先立ち、市内の本徳寺で組合員出席のもと恒例のウナギ供養も行われた。

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用意されたウナギを海に放した

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ウナギを放流する前に開かれた勉強会

(新美貴資)