里山川海を歩くライターの活動記録

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新商品「うなりプリン」の試食会 岐阜県海津市「いなりや」が地元のパン屋と連携し企画

〈『日本養殖新聞』2020年寄稿、2020年6月28日加筆修正〉

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試食会で提供されたウナギのタレが付いた2種のプリンとクロワッサンのセットメニュー

岐阜県海津市千代保稲荷神社の参道で営むウナギ料理店「いなりや」は2020年6月7日、新商品「うなりプリン」の試食会を開催した。

新商品は、地元産の新鮮な卵を使い、卵黄と卵白で作った2種(イエロー・ホワイト)のプリン。カラメルの代わりにウナギのタレをかけて味わうユニークなスイーツで、4代目の河合克英さんが考案した。

同店では、「うなぎ」と「いなり」と「うなる」を合わせ、「うなりプリン」とネーミングした一作目を昨年2月に発売。その後も2作目の開発に向け、試行を続けていた。

試食会では、千代保稲荷神社の南鳥居近くにあるパン屋「ブーランジェリーアンパン」と連携し、同店の人気商品であるクロワッサンと2種のプリンを合わせたセットメニューを100食用意。訪れた参拝客に呼びかけ、無料で試食してもらい感想を募った。

初の試食会を企画した経緯について河合さんは、「コロナ禍による難局を乗り越えるためには、個人だけの行動ではなく、周りの皆さんや地域が一体となっていくべきだという答えに行きついた。お客さんの感想からよりニーズに合った商品にしていきたい」と話した。

当日の参道は多くの人で賑わい、午前11時より店の前で始まった試食会は、3時間で用意した全てを提供し、終了となった。

試食した人々からは、「タレで味が変わってよい」「クロワッサンがおいしい」など、さまざまな意見が寄せられ、プリンとパンをセットにしたメニューも好評を得ていた。

河合さんによると、新型コロナの感染拡大により参拝者は2月中旬から減り、かつての賑わいが戻るまでにはまだ時間がかかると見ている。

同店では、コロナ禍のなかにあって店内の清掃、スキルの維持、現状のメニューや働き方の見直しなどに取り組み、再開後の運営方針についてもスタッフらと協議した。

「周辺の店舗、公的機関、行政の方々とも知恵を出し合い、協力・連携しながら魅力ある参道にしていきたい。いろいろと見つめ直すことができ、今まで取り組めていなかったことについて行動に移すことができた。貴重な期間になった」と河合さんは話し、今後のさらなる展開に意欲を見せた。

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店の前で行われた試食会。多くの人が参加し盛況だった

(新美貴資)