〈『日本養殖新聞』2022年6月15日号寄稿〉
今回でこの連載が10年目を迎えました。いつも読んで下さっている購読者の皆さんに感謝し、お世話になっている編集部にもお礼を申し上げます。
私は、ライターになる前は、東京で水産業界紙記者として働いていました。紆余曲折を経て地元の名古屋に戻り、これまでの経験を生かしてなにかできることがあるのではないかと、東海地方の浜を歩き、取材を続けているなかで編集部より声をかけていただき、この連載が始まりました。
最初は、ウナギに関わるさまざまな場面で働き、生きている人びとのことを紹介したいと思い、海や川、市場や蒲焼店などいろいろな所を訪ねました。
それから「水産政策の改革」について、議論が明らかに不十分で内容に偏りがあり、水産業界への影響が懸念されることから、漁民の立場より問題を提起するようなことも書きました。
その後もウナギを起点にいろいろなことに興味を持ち、その都度現地を訪ね、資料を探して読み、思考や想像をめぐらせてきました。
ウナギと関わる「ひと・もの・こと」について、ローカルな視点からもっと伝えていければと思っています。
そして、自分のなかにある「面白い」「違和感」「知りたい」「伝えたい」を大切に、自己と誠実に向き合い、悩み考え、今後も書き続けていきたいです。
読者の方々に、何か響くようなものをお届けできたらうれしいです。これからも、よろしくお願いします。