里山川海を歩くライターの活動記録

水産のいろんな世界を歩き見て、ひとの営みや暮らしを伝えています

海面漁業

新美貴資の「めぐる。〈142 〉」豊かな伊勢湾を取り戻せるか シンポ「海と川」に参加して

〈『日本養殖新聞』2024年4月15日号寄稿〉 伊勢湾と長良川が抱えている問題について考えるシンポジウム「海と川」が3月31日、岐阜市内であった。長良川市民学習会など約30団体からなる、よみがえれ長良川実行委員会が主催し、市民ら約100人が参加した。同委…

【新美貴資の「めぐる。〈119〉」】想像の失われた社会で 生産者の努力を伝えたい

〈『日本養殖新聞』2022年5月25日号寄稿〉 これまでの価値観が崩れて、守られてきた伝統や美徳がどんどん壊されている。そして、その勢いはさらに加速度を増している。文明の発展は、人間を幸せにしてきたのだろうか。縄文時代のことを調べていると、当時の…

なぎさは海のゆりかご『海のゆりかご通信』No.32 〈イベントリポート〉赤須賀漁業協同組合青壮年研究会 

なぎさは海のゆりかご『海のゆりかご通信』No.21(2012年7月)に寄稿した記事を紹介します。 ハマグリ、シジミの産地として知られる三重県桑名市の赤須賀(あかすか)。三重、愛知の両県にまたがる伊勢湾のもっとも奥に位置し、木曽三川の恵みを受けて採貝…

なぎさは海のゆりかご『海のゆりかご通信』No.24 日本最東端の地 根室で海を守り続ける漁師たち

なぎさは海のゆりかご『海のゆりかご通信』No.24(2011年9月)に寄稿した記事を紹介します。 北海道根室市の汽水湖である「風蓮湖(ふうれんこ)」で、生き物同士の調和を図り、漁業を営んでいくために活動している漁師さんを訪ねました。 「日本最東端の地…

『海のゆりかご通信』No.16 ~ハマグリ復活に取り組む赤須賀の漁師さん~ 先祖からの財産を次の世代へ

なぎさは海のゆりかご『海のゆりかご通信』No.16(2010年12月)に寄稿した記事を紹介します。 江戸時代の頃から漁師町と伝わる三重県桑名市の赤須賀(あかすか)。この漁師町で、先祖がまもってきた財産を受け継いで、次の世代に継承しようと奮闘している漁…

なごや環境大学のブログ「特集・なごやエコ最前線」に寄稿 「名古屋にもあった豊かな海と漁師町 ~今も残る漁村文化を探して下之一色を歩く~」

なごや環境大学のブログ「特集・なごやエコ最前線」に寄稿し、2018年5月に掲載された記事「名古屋にもあった豊かな海と漁師町 ~今も残る漁村文化を探して下之一色を歩く~」を紹介します。 www.n-kd.jp

不漁が続く愛知のシラスウナギ 日没後の漁場を取材

〈『日本養殖新聞』2014年寄稿、2020年6月8日加筆修正〉 日没から始まるシラスウナギ漁。発電機の鈍い音が響くなか黙々と行われていた 各地で好漁が伝えられている2013年度のシラスウナギだが、実際の現場はどのような状況にあるのか。養鰻の盛んな愛知県で…

藻場・干潟を守り豊かな海づくりを 海の博物館館長の石原義剛氏が講演

〈『水産週報』2011年12月1日号寄稿、2020年5月28日加筆修正〉 四日市市で開かれ海の環境保全に取り組む市民団体などが参加した 三重県内で海の環境保全に取り組む市民団体などが参加して意見を交わす第2回「みえの海のフェスティバル」(海づくり会議みえ主…

森川海の連携で三河湾の復活を 愛知県田原市で畠山重篤氏が講演

〈『水産週報』2011年9月15日号寄稿、2020年5月28日加筆修正〉 「森は海の恋人」と題して畠山重篤氏が講演した 宮城県気仙沼市でカキ養殖を営み、牡蠣の森を慕う会代表、京大フィールド科学教育研究センター社会連携教授などを務める畠山重篤氏は2011年2月25…

世界遺産の登録に向け、日韓の海女が参集 三重県志摩市で海女サミット開催

〈『水産週報』2010年10月15日号寄稿、2020年5月27日加筆修正〉 8県9地域から46人の海女が参加して開かれた 全国でもっとも海女漁が盛んな三重県の鳥羽・志摩地方。地元の自治体では海女文化の情報発信に力を入れており、浜では「海女小屋体験」が人気を集め…

食べ物とリンクする生物多様性 名古屋で「『さかな』を守る!漁業をまもる!」をテーマに意見交換

〈『水産週報』2010年10月1日号寄稿、2020年5月27日加筆修正〉 多くの参加者がつめかけ漁業への関心を深めた 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が2010年10月18日より、愛知県名古屋市で開かれる。地球環境への問題に関心が高まるなかで、190を超える…

流域の環境保全で漁業の再生を 環境フォーラムで元三重漁連部長の畑井育男氏が講演

〈『水産週報』2010年7月15日号寄稿、2020年5月27日加筆修正〉 会場には多くの参加者がつめかけた 株式会社エステム(愛知県名古屋市)主催の第20回環境フォーラム「水がつなぐ生命(いのち)~私たちの環境と海からの恩恵~」が2010年6月4日、名古屋市内で…

渥美半島・小中山地区 潜水・採貝漁の盛んな三河湾

〈『水産週報』2009年8月1日号掲載、2020年5月26日加筆修正〉 この地域でオオアサリと呼ばれるウチムラサキ 愛知県の東南端にある渥美半島は、三方を三河湾、伊勢湾、太平洋に囲まれた昔から漁業の盛んな地域。一年を通して多くの魚介類が水揚げされるが、な…

「駿河湾から伊豆海嶺の水産振興フォーラム」開催 海山の資源開発で漁業の発展を

〈『水産週報』2009年6月1日号寄稿、2020年5月26日加筆修正〉 地域漁業の発展に向けて調査研究のあり方を議論した 水産海洋地域研究集会・2008年度「駿河湾から伊豆海嶺の水産振興フォーラム」がこのほど、焼津市内で開かれた。水産海洋学会、東海大学海洋学…

焼きカキブームにわく鳥羽・浦村 消費拡大へ養殖業者が自ら販売

〈『水産週報』2009年5月15日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 「牡蠣の国まつり」で人気を集めたカキのつめ放題 「海のミルク」と呼ばれ栄養たっぷりで人気のカキ。全国的な産地としては広島、宮城県が有名だが、三重県でもカキ養殖は盛んに行われている。…

水産海洋研究集会「熊野灘漁業を考える」開催 「付加価値を高め、消費者の要求に応える」

〈『水産週報』2009年5月1日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 漁業の再生に向けて意見が交わされた 昨年夏の燃油高騰によって浮き彫りとなった脆弱な漁船漁業の経営体質。漁業者はどのようにして経営を改善し、収益の確保を図っていくべきか。 漁業のコスト…

「厳しい漁協経営、自助努力で改善を」フォーラム「三重の漁業どうする」漁連会長、漁業者、研究者らが意見発表

〈『水産週報』2008年10月15日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 5人のパネリストがそれぞれの立場から意見を発表した 前回に続いて、2008年9月20日に海の博物館(石原義剛館長)主催で開かれたフォーラム「三重の漁業どうする」の模様を紹介したい。 石原館…

フォーラム「三重の漁業どうする」流通改革で手取りを増やす 宮原JF全漁連専務が講演

〈『水産週報』2008年10月1日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 多くの漁業関係者らが参加して開かれた 海の博物館(石原義剛館長)主催のフォーラム「三重の漁業どうする」が2008年9月20日、三重県鳥羽市の同館内で開かれた。漁獲の減少や漁業者の高齢化、漁…

漁業の衰退に高まる不安 愛知県内の漁港を歩く

〈『水産週報』2008年8月15日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 休漁中の漁船が並ぶ豊浜漁港 全国一斉休漁で愛知県内の漁業者も操業停止に踏み切った。燃油の高騰によって漁業経営は破綻寸前。赤字覚悟の出漁が続き、意欲の低下に歯止めがかからない。漁業者…

5月の水揚げが過去最高を記録 好漁で活気にわく篠島のシラス漁

〈『水産週報』2008年7月1日号寄稿、2020年5月25日加筆修正〉 多くのシラスが水揚げされ活気にわく荷捌き場 4月から始まった愛知県篠島のシラス漁が好調だ。漁が本格化する5月は、月別で過去最高の漁獲量を記録。産地市場には連日多くのシラスが水揚げされ、…

豊かな漁場を守り里海の再生へ ピーク迎える三河湾のアサリ漁

〈『水産週報』2008年6月1日号寄稿、2020年5月24日加筆修正〉 漁が最盛期に入った三河湾のアサリ アサリの漁獲量が全国トップの愛知県。主な漁場となる県内三河湾のアサリは産卵を前に身が太り、もっとも美味しく食べられる旬の時期を迎えている。3月からス…

【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉桑名・赤須賀で春を呼ぶシラウオ漁が解禁

〈『DoChubu』2014年2月13日更新、2020年5月16日加筆修正〉 揖斐川の河口付近で漁獲されたシラウオ。体長は5~6センチくらい。陽の光を受けて独特の光沢を放っていました 年が明けた1月6日。桑名の漁師町・赤須賀では、シラウオ漁が始まりました。揖斐川の河…

【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉好漁続く松阪のサワラ

〈『DoChubu』2014年1月21日更新、2020年5月16日加筆修正〉 松阪市の猟師漁港で水揚げされたサワラ 秋から脂がのり始め、冬にかけて獲れる伊勢湾のサワラ。三重県松阪市の猟師漁港では、12月いっぱいまで漁が行われ、水揚げが続きます。 昼過ぎに漁港を訪れ…

【DoChubu掲載】セントレア周辺に生える未利用資源を商品化。シャキシャキでネバネバな食感が新しい常滑のアカモク

〈『DoChubu』2012年8月2日更新、2020年4月23日加筆修正〉 伊勢湾の常滑沖で収穫された海藻のアカモク いま伊勢湾で注目を集めている、一つの面白い海藻があります。アカモクという、岩場にはえて長いものでは4メートルまでのび、一年で成長し枯れてしまう海…

【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉南知多・師崎のコウナゴ

〈『DoChubu』2012年4月11日更新、2020年4月22日加筆修正〉 春の訪れを告げるコウナゴの水揚げが始まると伊勢・三河湾の浜は活気づきます 今期(2012年)は3月8日(木)に解禁となった、愛知・三重の両県で行われる伊勢・三河湾でのコウナゴ(イカナゴ)漁。…

【DoChubu掲載】〈鳥羽市特集〉自然の恵みを循環のなかで活かす。新たな地域ブランドの確立を目指す「浦村アサリ研究会」

〈『DoChubu』2012年3月4日更新、2020年4月22日加筆修正〉 浦村アサリ研究会が取り組んでいるアサリの生産。自然の恵みを活かした新たな地域ブランドの確立を目指しています カキの産地として有名な鳥羽市の浦村町。伊勢湾口に面し、複雑に入りくんだ海岸線…

【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉四日市・富田のシバエビ

〈『DoChubu』2012年2月10日更新、2020年4月22日加筆修正〉 伊勢湾でとれたシバエビ。白っぽい体の色が特徴です いま伊勢湾でたくさんとれているのがこのエビ。白っぽい体の色と長いヒゲのような触角が特徴のシバエビです。 この日歩いたのは三重県四日市市…

【DoChubu掲載】伝統がいまなお息づく美し島。多種多様な漁でにぎわう鳥羽・答志島

〈『DoChubu』2012年1月4日更新、2020年4月22日加筆修正〉 答志漁港にずらりとならぶ漁船。港と海とを絶えず行き来し島は活気にあふれていました 今回、産地探訪の旅で訪れたのは、三重県鳥羽市の地先にうかぶ答志(とうし)島です。伊勢湾の玄関口にあたる…

【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉愛知の魚「スサビノリ」

〈『DoChubu』2011年12月9日更新、2020年4月22日〉 収穫されたばかりの伊勢湾のスサビノリ いよいよ今年もノリ摘みの季節がやってきました。伊勢・三河湾ではノリの養殖が古くから行われていて、冬に入るこれからが収穫の時期。全国でつくられている養殖ノリ…

【DoChubu掲載】〈大紀町特集〉地元の魚をPR!消費者との交流を進める錦の漁師たち

〈『DoChubu』2011年10月28日更新、2020年4月22日加筆修正〉 錦漁港で谷口兄さん(右)と西村宗伯さん。後方の漁船は谷口さんがまき網漁で乗りこむ船です 海岸線が複雑に入り組む三重県南部の沿岸では、穏やかな海の広がる入り江にイカダを浮かべ、イケスの…