〈『DoChubu』2011年9月9日更新、2020年4月22日加筆修正〉
8月26日(金)の豊浜漁港(愛知県南知多町)。この日は雲が多く、頭上から降り注ぐ日差しもちょっとやさしい。それでも海から吹きつける潮風には湿気がこもり、じんわりと汗が噴き出す。まだまだ暑さは続きそうです。
魚市場でいつも目にするのが、このジンドウイカ。体長10センチほどの小さなイカです。豊浜漁協によると、一年を通して揚がり、特に秋から冬にかけて獲れるそう。忙しい作業の合間に浜のお母さんに聞くと、煮付けや刺身で食べたり、バターで炒めてもうまいとか。たくさんの種類の魚が獲れる小型底びき網漁業が主力の豊浜。この日もイカだけで、4種類ほどが並んでいました。
水揚げされたばかりの新鮮なジンドウイカ。じっと顔を近づけて見ると、体表に無数の小さな赤い斑紋が浮かんでいます。それがまるで呼吸しているように点いたり消えたり。海の生命の神秘さを感じました。(新美貴資)