里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉地元の漁業を学ぶ!松阪の小学校で漁師さんが出前授業

〈『DoChubu』2013年2月21日更新、2020年5月15日加筆修正〉

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写真や映像を使って地元の海で行われている漁業について学びました

松阪漁協(三重県松阪市)の青壮年部による出前授業が2012年1月22日(火)、市立港小学校であり、同校の5年生42人が受講しました。地元の浜で活躍する漁業者らが、実際に使っている漁具を教室に持ち込み、アサリをとる採貝漁業やノリ養殖についてわかりやすく説明。子どもたちは、さまざまな漁具にふれ、グループに分かれて漁師さんと対話し、交流を深めながら漁業について学びました。

この出前授業は、地元の海で行われている漁業について学習するのがねらいで、昨年に続いて企画されたもの。同漁協に所属する若手漁業者を中心に構成する青壮年部のメンバー9名、漁協職員1名らが講師として参加し、授業を行いました。

漁具をみてさわる

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胴長を着て貝をとる漁具「じょれん」をもつ生徒。漁業者からアサリのとり方について学びました

授業の冒頭、青壮年部会長で刺し網、採貝、底びき網漁を営む田中吉兆さんが、写真や映像を使って松阪の海で行われている、貝をとる漁業やノリを育てる養殖について説明しました。

松阪の浜でたくさんとれるアサリは、「じょれん」という鉄製のかごを用いて、人力で海の底をさらう「手掘り」と、漁船を使う「底びき網」の2つの方法で漁獲されています。収穫したアサリは、漁港の市場に集められ、入札で一番の高値をつけた仲買人によって競り落とされていきます。

田中さんは、「入札が終わるまでが漁師の一日の仕事」と話し、ノリ養殖についても、網を刈る様子や摘み取ったノリの加工から出荷までの工程を紹介しました。クイズも取り入れた話題の豊富な講義に、子どもたちは熱心に耳を傾けメモをとっていました。

授業では、実際の漁で使われている漁具をみて、ふれる体験の時間ももうけられました。教室には、アサリをとる「じょれん」や漁で着用する胴長、アサリの大きさを選別する「ふるい」などが持ち込まれ、子どもたちは漁業者から使い方を学びました。

ブカブカ胴長をかぶり大きな「じょれん」を手にし、「着心地がいい」とうれしそうに話す男の子。腰をかがめて「ふるい」を一生懸命ゆすり、アサリをより分けた女の子は、初めての体験に笑みを浮かべていました。

その後はグループに分かれて漁師さんと対話。生徒からは、「貝をとって楽しかったことは」「貝をとっている人は増えている?」「とれる場所は日によって違うのか」など、さまざまな質問の声があがり、漁師さんが一つひとつていねいに答えました。

授業では、海水を浄化するアサリの能力や、海の汚れの元になるチッソやリンをノリが吸収して、きれいにしていることも学習。伊勢湾で養殖されたノリを食べることは、湾のなかをきれいにすることにつながることも学びました。

終盤にさしかかると、子どもたちは漁師さんともすっかり打ち解けた様子で、教室は笑顔の絶えないにぎやかな雰囲気に包まれました。終わりに田中さんが「また漁港へ来てください」と挨拶すると、大きな拍手がうまれ、子どもたちの好奇心にあふれたこの日の出前授業が終わりました。

漁業者との交流を深める 

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漁業者の話を熱心に聞く子どもたち

出前授業を振り返り、「楽しかった」とまわりの友達と一緒に笑顔で話す女の子。授業が始まり、なかにはすこし緊張しているのかなという生徒もいましたが、時間がたつにつれて教室には笑い声がこだまし、いつの間にかみんな目を輝かせて、漁業者との交流を楽しんでいたのがとても印象的でした。

浜の将来をになう、若い漁業者からなる松阪漁協青壮年部では、地元漁業の活性化にむけて、地域内外での交流や魚食普及の推進、森に木を植える活動など、さまざまな取り組みを精力的に行っています。(新美貴資)

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