里山川海を歩くライターの活動記録

水産のいろんな世界を歩き見て、ひとの営みや暮らしを伝えています

〈なごや学〉【名東区制50周年記念】で「香流川から見る名東区」について講演しました

名古屋市名東生涯学習センターで先週から始まった「〈なごや学〉【名東区制50周年記念】名東区の歴史を様々な視点から見る」の連続講座。
全5回のうちの第2回が2024年5月28日に開かれ、「香流川から見る名東区」をテーマに講師を務めました。流路12kmほどの長久手名古屋市を流れる香流川について、河口から源流、川沿いにある名所、支流の塚田川(正確に言うと、支流の藤ノ木川〈長久手市では鴨田川〉のさらに支流になります)、流域の地名などについて、調べたことを紹介しました。区の昔をよく知る参加者の方々とも交流でき、うれしい機会となりました。
最近は地名に興味があり、区にかつて存在した古い地名の由来について調べてみたいと思っています。講座では、寛政頃に尾張藩の命によって描かれたという長湫村、藤森村、猪子石村の絵地図を愛知県図書館の許可を得て紹介しました。こうしたものを活用し、現代と比べて歴史を調べていくと面白そうです。
香流川にもその支流にも、きっと漁撈、魚食の文化はあったのだと思います。区内に残っているため池ではそうした習慣があったようなので確かめたいです。流域マップ作りも教育やまちづくりに活用したら地域に新たな視点が生まれるのではないでしょうか。
川とはなにか?しっくりする言葉が調べても見つからず、自分の中からも浮かんでこなかったのですが、河川工学者である大熊孝氏の以下の言葉に納得し、引用して紹介しました。
〈川とは、地球における物質循環の重要な担い手であるとともに、人間にとって身近な自然で、恵みと災害という矛盾の中に、ゆっくりと時間をかけて、人の“からだ”と“こころ”をつくり、地域文化を育んできた存在である〉(大熊孝「新潟水辺の会HP」より)
講座では、地域の過去と現在と未来をつなぐ財産である川の持つ価値を改めて見直し、関心を持って守っていくことが大事であることを最後にお伝えして終わりました。