〈『DoChubu』2011年8月3日更新、2020年4月21日加筆修正〉
今年も三重県桑名市の赤須賀漁港で、第12回赤須賀漁業まつりが2011年7月9日(土)午前9時から12時まで開かれました。赤須賀漁協の主催で毎年開かれているこのまつり。木曽三川の河口で獲れた地元産のシジミやハマグリ、アサリのほか、焼きハマグリやいろんな海産物も販売され、漁港は朝から多くの人でにぎわいました。
船にのってシジミ漁を見学する体験コーナーは、子供たちに大人気。目の前にあるはまぐりプラザの食堂では、まつりの限定メニューとして、ハマグリの吸い物とアサリの炊き込みご飯が提供され、こちらもあっという間に売り切れでした。
この日は青空が広がる気持ちいい天気。強い日差しを浴びながらも、まつりを運営する漁師さんや浜のお母さんは笑顔で元気いっぱいでした。
販売コーナーで、伝統のハマグリむきを披露していた浜のお母さん。「かながい」という道具で、あっという間に貝殻を開き、身をとりだしていきます。ハマグリが20キロもつまったカゴを、1日で12カゴ分もむくそう。その早業に魅せられて、しばらくじっと見入っていました。
会場をあちこち歩いて漁師さんの話を聞いていたら、あっという間に時間が過ぎてしまい、楽しみにしていた焼きハマグリは完売。残念ながら食べることができませんでした。漁港の前にあるはまぐりプラザの2階の食堂では、まつりの限定メニューとして、はまぐりの吸い物、アサリの炊き込みご飯が提供され、こちらはぎりぎりセーフ。予定していた100食があっという間に売り切れる大盛況で、急遽メニューを追加で調理。スタッフのみなさんは大忙しでした。
うま味がしっかりとしみこんでいる、アサリの炊き込みご飯。一口すするとやさしい味が体にいきわたって、思わずふーっと深い息が出てしまうハマグリの吸い物。味わいは繊細なのにしっかりとしていて、それでいて角がなく、いくら口にしても飽きがこない。貝のだしってとても不思議です。なんだか身心が癒されて、体が喜んでいるような気がしてきます。
「これを食べて夏を乗り切って」と言いながらシジミ汁を渡してくれた、元気な浜のお母さんの笑顔を思い浮かべながら、ゆっくりと味わいました。
(新美貴資)