〈『日本養殖新聞』2015年寄稿、2020年6月14日加筆修正〉
2015年3月2日、名古屋市中央卸売市場本場に養殖の生鮮アユ(レギュラーサイズ)が小アユに続いて初入荷した。
荷受けしたのは、中部水産と大東魚類の2社。中部水産が森養魚場(岐阜県大垣市)から11ケース、大東魚類が兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市)から1ケースを入荷した。
全体の入荷数量は昨年同時期とほぼ同じで、需要が高まる春先に向けて、いよいよ生鮮アユ商戦がスタートを切った。
市況について、仲卸の担当者からは「アユはまだまだ。注文がない」「注文があったら買うが、春先にならないと(取引は始まらない)」といった声が聞かれた。
中部水産近海二課淡水魚グループの長谷川忠夫担当課長グループリーダーも「4月以降から動きだす。本格的に動くのは5月になってから」と話し、3月の入荷は10ケース前後で推移し、荷動きが活発になり各メーカーの出荷が揃うのはこれからとの見方を示した。
生産者が消費の拡大に取り組む中、生鮮アユがどれだけ需要を喚起できるか、今シーズンの動向に注目したい。(新美貴資)