〈『日本養殖新聞』2015年寄稿、2020年6月16日加筆修正〉
6月1日の「鮎の日」に、愛知県豊橋市の豊橋調理製菓専門学校で県産の養殖アユを使った調理実習が行われた。約60人の生徒が受講し、塩焼きやご飯などを調理して味わった。
今回が初めてとなるこの催しは、県内で養殖アユを生産する大手の兼升養魚漁業生産組合が企画し、同校の協力を受けて実現した。料理人を目指す若い生徒たちに、全国1位の生産量を誇る県産の養殖アユを学んで、品質の良さを実感してもらおうと開かれた。
冒頭、主催者を代表して同組合の井澤章専務理事が挨拶に立ち「養殖アユの良い部分を引き出して、培った技術をフィードバックして下さい」などと述べた。
実習では、音竹信一講師が日本料理の講義を行いながら、養殖アユの調理を実演。その後、生徒たちはグループに分かれ、串うちや塩の振り方、焼きあがった魚体から中骨を抜く工程などを体験し学んだ。指導した音竹講師は「串うちはなかなか体験する場面がなく、生徒にも良い機会となりました」と語った。
この日に提供された養殖アユは、同組合が生産した「和鮎」で、火が通りやすい小さめの一匹70グラムのものが用意された。一人の生徒が3匹ずつ扱い、塩焼きの他、素焼きしたものに味噌を塗る魚田(ぎょでん)、身をほぐして混ぜたご飯が調理された。
同組合では、養殖アユを使った実習を、来年度も引き続き開催したいとしている。
(新美貴資)