〈『DoChubu』2012年12月5日更新、2020年4月24日加筆修正〉
三重県内の養殖業者で構成する県海水養魚協議会は2012年10月5日(金)、松阪市内で新たなブランド魚を披露する「伊勢まだい」キックオフ大会を開催しました。新たなネーミングでつくられた「伊勢まだい」は、臭みや脂分の少ない、さっぱりとした身が特徴で、使われている餌には県の特産である柑橘類や海藻、伊勢茶の粉末がブレンドされています。
三重は全国でも有数の養殖マダイ生産県。協議会では付加価値をつけた独自の養殖魚をつくろうと、昨年度から三重大学、消費者団体などと一緒になって取り組んできました。
大会には、鈴木英敬知事、山本教和県議会議長をはじめ、協議会関係者ら約100名が出席し、「伊勢まだい」の紹介や販売促進に向けたアピール、試食会が行われ盛況でした。大会の前にはシンポジウムもあり、「伊勢まだい」のもつ特長などが協議会、県水産資源課、県水産研究所の担当者から発表されました。
相可高校調理クラブが料理を提供
大会では、以前に大紀町特集でうかがった、養殖マダイの生産者で協議会会長の西村宗伯さんが主催者を代表して挨拶。かけつけた鈴木知事、山本県議会議長、永富洋一漁連会長も「伊勢まだい」へ期待の言葉を述べました。続いて行われた試食会では、「伊勢まだい」を使った多くの料理がならび、県産の新たな魚に出席者は舌鼓をうちました。
料理は会場となった「華王殿」から、「鯛のアクアパッツァ」「低温ポワレ」「鯛のからすみ造り」などが提供されたほか、相可高校調理クラブも参加。生徒が考えた2012年度県おさかな料理コンクール知事賞作品の「ご当地!鯛ソーセージ」をはじめ、「白身魚鯛のあんかけ」「アサリとタイのミルクスープ」「鯛のごま茶漬け」などメニュー6品を調理。橋本かおりさん(南伊勢町)が考案した第12回全国シーフード料理コンクール水産庁長官賞作品の「スタミナ鯛そうめん」も出品され、出席者の関心を集めました。
クセのないあっさりした「伊勢まだい」の身は、刺身はもちろん、揚げても焼いてもホクホクとした食感があり、和洋中などどんな味付けにもよくあいます。
「伊勢まだい」に貼るロゴマークは商標登録を申請中で、間もなく認可される予定。今年は10名の養殖業者が生産に取り組みます。協議会は県内で試食販売のイベントを実施。今後は加工品の開発にも力を入れていくとしています。
さまざまな食べ方で味わうことができる「伊勢まだい」の魅力が発揮された今回のイベント。新たなブランド化への期待と成功に向けた強い意気込みが、会場全体から伝わってきました。(新美貴資)