里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉愛知県産ノリの初競り開催

〈『DoChubu』2014年1月9日更新、2020年5月15日加筆修正〉

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見付場でノリの品質をチェックする問屋や商社の担当者ら

寒さが日ごとに厳しさを増すなか、今年も新ノリを収穫する季節を迎えました。愛知県産ノリの今年度第1回目の競り市(共販)が2013年12月1日、半田市にある県漁連海苔流通センターで開かれました。同センターには、県内知多・三河地区の各産地で摘み採られた新ノリが集荷され、多くの問屋や商社らが参加し、熱気のこもるなかで取引が行われました。初競りには、大村秀章知事も訪れて新ノリの試食や競り人をつとめ、県産のノリをピーアールしました。

風味豊かな愛知のノリ

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見付場には産地や等級ごとに分けられた、たくさんの新ノリの見本が展示されていました

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産地や等級の異なるノリを比べてみると、味や食感、香りの他にも色や艶、手触りや重さなど、一つひとつに違いがあることがわかります

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多くの問屋、商社らが参加するなか、新ノリの初競りが行われました

伊勢・三河湾の恵みを受けて生産される愛知のノリは、風味が豊かで色艶が美しいのが特徴なのだそう。生産量は全国で第6位。かつてはトップだったこともあるという愛知は、有数のノリの生産県なのです。

秋にこの地方を襲った台風の影響で、ノリ網の張り込みが遅れた産地も多く、出荷量は約1043万枚と前年の初競りのときの約6割で、平年と比べても少なかったのですが、それでも見本を展示する見付場にはたくさんの新ノリがそろい、活気にわくシーズンの到来を告げていました。

高揚した雰囲気がただようなか、見付場では問屋や商社の担当者らが、新ノリを手にとって色艶や手ざわりを確認したり、口にふくんだり、真剣な表情で各産地の等級ごとに分けられた一つひとつをチェック。初競りが始まると、会場を緊迫した空気がおおい、各産地の生産者がじっと見守るなかで取引が休むことなく続きました。

大村知事も県産の新ノリをPR

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ノリ関係者らと懇談し、新ノリを試食する大村知事

競り市の会場に初めておとずれた大村知事は、見付場の視察や新ノリの試食などを行い、初競りにも参加しました。関係者との懇談後に、「愛知のすばらしいノリをもっと多くの県民に知ってほしい。大いに盛り上げてピーアールしたい」と話しました。

県産のノリは、魚介類のピーアールを図ろうと、県が季節を代表する魚を2種類ずつ選定した「あいちの四季の魚」の「冬の魚」にトラフグとともに選ばれています。

(新美貴資)

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