里山川海を歩くライターの活動記録

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近大発「うなぎ味のナマズ」を丼で提供 岐阜県羽島市「魚勝」が食文化をピーアール

〈『日本養殖新聞』2016年寄稿、2020年6月21日加筆修正〉

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近大が開発した「うなぎ味のナマズ

岐阜県羽島市の川魚料理店「魚勝」では2016年4月より、近大が開発した「うなぎ味のナマズ」を使った蒲焼きの丼を提供、話題を集めている。

同店では、近大の有路昌彦教授が社長を務める「株式会社食縁」から1.2~1.5キロサイズのナマズの活魚と冷凍フィレーを入荷。蒲焼きに調理して一杯1200円(税別)で売り出している。

ナマズを食べる文化が残る同市では、毎年秋に「なまずまつり」が開かれている。昨年のまつりでは、実行委員会の企画により同店が近大発のナマズを使った丼を提供し、人気を呼んだ。

その後、情報交換や試食会などを経て、同店でメニュー化されることに。ナマズの食文化を復活させ、地域の活性化につなげたい市や商工会と同社の協力を受けて実現した。うなぎ味のナマズの提供は、同県内では初めてとなる。

皮が固くなりやすいナマズは、炭焼きも工夫を重ね、使う部位もウナギの味や食感に近い下の半身を使用。同店3代目の佐藤彰洋さんは「従来の川魚とは別物。食材として面白く、しゃぶしゃぶや天ぷらなど新たな料理も考えたい」と意欲を見せる。

同店では、今後も近大発のナマズ仕入れ、お値打ちな価格で良質な蒲焼きを提供する予定。ナマズの魅力を発信し、新たな食べ方の可能性を追求していく。

「魚勝」岐阜県羽島市桑原町八神5234、電話058-398-8811。

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一日20~30杯注文が入るという近大発のナマズの丼(左)と蒲焼き。ナマズの丼は同店のウナギ丼(並1400円〈税別〉)より安い価格で提供している

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炭火で焼きあげられていくナマズ

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店内に立つ「うなぎ味のナマズ」をアピールするのぼり

 

(新美貴資)

※記事に記載されている価格は、取材した当時のものになります。