里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】〈お弁当特集〉地産品でこだわりの弁当を販売する長久手町の「あぐりん村」

〈『DoChubu』2010年3月28日更新、2020年4月20日加筆修正〉

口に入れると伝わる手作りのぬくもり

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ボリュームがあってとても豪華な今枝さんのお弁当

口にいれると手作りのぬくもりが伝わってくる。そんなお弁当を愛知県の長久手町で見つけました。

自然にめぐまれ豊かな田園風景が広がる長久手。この町で、食と農の大切さを伝えようと2007年にオープンした「あぐりん村」。たくさんの地産品であふれる農産物直販所「市・ござらっせ」、地元の食材を使った健康メニューを提供する「ふるさと薬膳レストラン凛」、焼きたてのパンが味わえる「あぐりん村パン工房」の3つの施設からなり、連日多くの客でにぎわっています。町や近隣のエリアでとれた旬の野菜などを買うことができる、地産地消の拠点として注目を集めているスポットです。

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(左)新鮮な食材が並ぶ「市・ござらっせ」 (右)人気のお弁当、惣菜の販売コーナー

地元でとれた食材がいっぱいの「市・ござらっせ」。たくさんの種類の野菜や果物などがぎっしりと並び、どれもが新鮮です。農家が農薬や肥料に気を配って生産した、安全で安心な食材が広い店内にはあふれかえっています。

そんななかで、多くの客が立ち止まり手にとっていくのがお弁当や惣菜です。販売コーナーにところ狭しと並べられている、生産者名のラベルが貼られたお弁当や惣菜、おにぎりやサンドイッチ。ちょうどお昼時とあって、年輩の夫婦や家族連れ、若者などが、どれにしようかと相談しながら、次々とカゴのなかへ入れていきます。

体に良いものだけを使って提供

売り場に並ぶ、たくさんの彩り豊かなお弁当。どれもおいしそうで、一つひとつを見比べてしまい、選ぶのも迷ってしまいそうです。そんななかで、たっぷりの野菜と大きなエビが入った、ひときわ目をひくお弁当を見つけました。つくっているのは今枝千波さん。「あぐりん村」のオープン当初から、体に良いものだけを使って提供したいと、こだわりをもって一人でつくり続けています。

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あぐりん村」で人気のお弁当をつくっている今枝千波さん

「旬のものを取り入れて、毎日日替わりでつくっています」と笑顔で話す今枝さん。この日のおかずは、イカのあんかけ野菜、ナスの煮物とゴボウの肉巻き、サツマイモとカボチャの天ぷら、きんぴらごぼう、大根の切干しなど。そのうえには、日替わりで塩焼き、天ぷら、フライの大きなエビが乗る、とても豪華な中身。食材は「あぐりん村」で扱っている地元のものが中心です。「自分の家族が食べるものと思って、誠意をもってつくっています」という、今枝さんの気持ちのこもったお弁当。味はもちろん、とても600円とは思えないたっぷりのボリュームに驚きました。

長年、料理をつくり続けてきた経験をいかして、食材から調味料まで本当に安全な体に良いものだけを厳選して使用。「食は生活の基盤」という今枝さんのお弁当を、「あぐりん村」に来る多くの客が楽しみにしています。「ここでなければ買うことができないもの。中身の誠実な正直なものをつくっていきたい」。今枝さんの人柄がそのまま表れたような、魅力のいっぱいつまった味わい深いお弁当でした。

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オレンジママ・井上真喜子さんのつくる「ヘルシー健康弁当」。 安全で安心な地元産の食材を砂糖や油をつかわない調理方法で仕上げています

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沼波名夫子さんの「花むすび」。 一つひとつていねいにつくった彩り豊かなむすびで、目で見ても楽しめます

作り手のぬくもりが伝わってくる「あぐりん村」のお弁当や惣菜。どれもが人気で、この日の昼すぎには多くが売り切れていました。ぜひ一度、足を運んで地元でとれた食材の新鮮さを味わってみてください。(新美貴資)

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