〈2015年7月2日執筆、2020年5月21日加筆修正〉
旬の魚介を使ったおすすめの料理レシピを紹介するこのコーナー。今回取り上げる魚は、春から夏にかけて独特の香りが楽しめる稚アユだ。レシピを教えるのは、岐阜市内に店を構える鮮魚店「魚ぎ」の4代目・内藤彰俊さん。頭から骨まで、丸ごと食べることができる稚アユは栄養たっぷり。家庭で簡単に調理ができ、酒のさかなにもなる。大人も子どももきっと喜ぶこのレシピをぜひ試してみてほしい。
稚アユのフリッター エビマヨ風
【材料(2人分)】
- 稚アユ(20尾)
- 塩、こしょう(少々)
- 小麦粉(適量)
- オリーブオイル(適量)
- バター(大さじ1)
- フレンチドレッシング(1/2カップ)
- キャベツ(1/4カット)
【作り方】
【①】稚アユの腹部を、頭の側から軽く押しながら指を滑らせ、たまっている排泄物を肛門から取り除く。
【②】稚アユの表面を水で洗い、しっかり水気を取る。稚アユに塩、こしょうを少々ふり、小麦粉をまぶす。
【③】フライパンの底がひたひたになるくらいオリーブオイルを注ぎ、バターを加えて熱する。②の稚アユをキツネ色になるまで揚げる。取り出したら油をしっかりきる。
【④】千切りにしたキャベツの上に③の稚アユを乗せ、ドレッシングをかける。
【稚アユの説明】
アユの若魚で、全長8センチくらいまでのものを指す。天然のアユは、春になると海から河川を溯上し、成長する。身質は繊細で独特の香りがあり、骨はやわらかく丸ごと味わえる。天ぷらやフライ、空揚げ、マリネ、南蛮漬けなどにして食べる人気の魚。岐阜県内では、天然物のほか、養殖物も入手できる。
【内藤さんのアドバイス】
臭みが残らないよう魚を洗い、表面の水気をしっかり取るのがポイント。バターを溶かしたオリーブオイルを使い、魚が苦手な方でも食べやすいよう工夫してみました。ドレッシングは、しょうゆを少々加えたり、相性の合うオレンジやグレープフルーツなどのかんきつ類を適量ちぎってあえたりすると、簡単なソースとして使うことができます。ワカサギなど、他の小魚で調理してもおいしく味わえますよ。
【内藤さんのプロフィール】
ないとう・あきとし 老舗鮮魚店「魚ぎ」の4代目。東京・太田市場や福岡の魚屋で修業を積んだ後、家業を継ぐ。子どもの頃より料理に関心を持ち、奥さんと子どもがいる家庭でも魚を使ったさまざまな料理を作る。店では、マグロの解体イベントや消費者を対象にした魚の講座などを開き、地域の活性化と魚食の普及に情熱を注ぐ。