里山川海を歩くライターの活動記録

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「鮎の日」啓発イベント 愛知・矢作川漁協が放流体験行う

〈『日本養殖新聞』2014年寄稿、2020年6月9日加筆修正〉

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受け取った稚アユを川へ放流する子どもたち

全鮎(全国鮎養殖漁業組合連合会)によって6月1日が「鮎の日」に制定されたことを受けて、愛知県豊田市では2014年6月1日、矢作川漁協が主催する啓発イベントが開かれた。

会場となった矢作川沿いに広がる古鼠(ふっそ)水辺公園には、地元の市立平井小学校の児童とその父母ら約80人が来場。漁協が用意した稚アユ約7000匹を放流し、公園内で調理されたアユの塩焼きを味わった。

好天に恵まれ、多くの漁協関係者らが準備に追われる中、午前10時にイベントはスタート。子供たちは、元気に飛び跳ねる稚アユを受け取り、手につかんで勢いよく川へと放した。放流した稚アユは、県の栽培漁業センターで育成されたもので、約100キロが持ち込まれた。

塩焼きにして振舞われたアユ120匹は、県内の養殖業者から提供され、ベテランの組合員らによって炭火でじっくりと焼きあげられた。川辺では、香ばしいアユを親子が仲良くほおばる姿があちこちで見られた。

今回の試みに漁協専務理事の加藤重雄さんは、「盛況でびっくりした。みんなおいしそうに食べてくれた」と笑顔を見せ、アユの魅力を訴えた。

今年の天然アユの遡上について、加藤さんは「水温が低くて遅れているが、最終的には例年と同じくらいの数になるのでは」との見方を示した。矢作川のアユ釣りは、5月11日より解禁を迎えており、釣果は良好だという

多くの参加者でにぎわった「鮎の日」の啓発イベントは、1時間ほど行われ、盛況のうちに終了となった。

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参加者が興味津々の様子で見守るなか約7000匹の稚アユを放流

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会場でアユの塩焼きが調理され振る舞われた

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炭火で焼きあげられた香ばしいアユの塩焼き

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会場となった矢作川沿いに広がる古鼠(ふっそ)水辺公園

(新美貴資)