里山川海を歩くライターの活動記録

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長良川で天然アユ漁始まる 岐阜市中央卸売市場で5月11日に初セリ

〈『日本養殖新聞』2015年寄稿、2020年6月14日加筆修正〉

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岐阜市中央卸売市場で行われた天然アユの初セリ

岐阜県内の長良川下流などの指定された漁場で、2015年5月11日より天然アユ漁が解禁となり、当日に岐阜市中央卸売市場で初セリが行われた。

初セリは、午前6時よりスタート。入荷数量は56枚(一枚=約1キロ、28~65尾入り)で、一枚当たりの最高値は2万円(昨年同)をつけた。同市場を管理する市の担当者によると、解禁日の前日と当日が晴天に恵まれ、アユの発育状況も良好なことから、入荷数量や価格は前年並みとなった。

入荷数量は、昨年の57枚とほぼ同じで、平年並み。サイズは17~10センチで、平均は約14センチ。長良川漁協が行った調査によると、遡上数は昨年に比べて多めであることが確認されており、水温の上昇とともに今後の順調な入荷が期待される。

卸2社で行われた初セリでは、約40人の仲買人らが台の上にあがり次々と運ばれてくるアユを囲み、威勢のよい掛け声が飛び交う取引が20分ほど続いた。セリ落とされたアユは、市内の料理店の他、名古屋方面に出荷された。

初日のセリを振り返った市場関係者からは、「水温が上がらないと味や香りは良くならない。まだこれから」「旨くなるのは夏になってから」と、今後迎える需要期に期待する言葉が多く聞かれた。6月には、長良川の上流域でも漁が解禁となる。

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長良川で漁獲された天然アユ

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サツキマスもセリにかけられた

(新美貴資)