里山川海を歩くライターの活動記録

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岐阜市中央卸売市場で天然アユの初競り 新型コロナの影響で出荷、価格とも前年より下降

〈『日本養殖新聞』2020年寄稿、2020年6月27日加筆修正〉

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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、売買参加者は競り台に上がらず距離をあけて取引を行った

岐阜県内の長良川などで漁獲された天然アユの初競りが2020年5月11日、岐阜市中央卸売市場で行われた。

この日の入荷数量は33枚(一枚=約1キログラム、32~60尾入り。前年64枚)。一枚当たりの最高値は2万8000円(前年3万円)となった。

同市場を管理する市によると、新型コロナウイルスなどの影響により、料理店などへの出荷が減少し、価格も前年より安値となった。

アユの発育状況は良好でサイズは16~11センチ(前年17~11センチ)、平均14センチ(前年同)となった。

目視による確認では、長良川の遡上数は例年に比べ多いとのこと。気温の上昇とともに水温が上がれば成長も進むことから、今後の安定した入荷が期待される。

取引は卸2社で行われ、競り落とされたアユは、市内の料理店の他、名古屋などに出荷された。

新型コロナの感染拡大防止のため、県内の長良川鵜飼と小瀬鵜飼は開幕が延期となった。観光業への打撃は必至で、名産であるアユの消費への影響が懸念される。

市場では、飲食店向けの近海魚を中心に魚介類全体の価格の下落が大きく、関係者からは、新型コロナの早い収束を願う声が聞かれた。

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今年も発育状況は良好

(新美貴資)