〈『日本養殖新聞』2017年寄稿、2020年6月25日加筆修正〉
「津うなぎ専門店組合」主催によるウナギの放流会が2017年8月30日、同市内で開催された。毎年この時期に一般参加を募って開かれるこの催しは4回目となる。企画と運営には、FAMIEの地域コーディネーター若林祐基さん、フリーアナウンサー大西祐子さんが協力した。
放流会に先立ち、市内の本徳寺で組合員出席のもとウナギ供養が行われた。その後、津ヨットハーバーで放流会が実施された。
冒頭、参加した小学生親子24組を前にして、会場にかけつけた前葉泰幸市長が「ウナギ屋さんが資源を守ろうとがんばってくれている。そのへんのことも勉強していただきたい。放流によって津のあたりでもたくさん捕れるようになってほしい」などと話した。
続いて、主催者を代表して上原正広組合長(「はし家」社長)が「ウナギの放流は60年くらい前から行っている。みんなで楽しんで夏休みの思い出をつくっていただけたら」と挨拶。
クイズ形式で行われた勉強会では、組合員の店主が順番に「ウナギはどこで卵を産むか」「津のウナギの焼き方は」などの問題を三択で出題。子どもたちは真剣な表情で親と相談しながら回答。「ウナギはどうしてヌルヌルしているのか」といった質問もあがった。
近くの海浜へ移動して行われた放流では、同組合が用意した養殖ウナギの成魚約80匹を子どもたちがつかみ、歓声をあげながら次々と海に放した。
最後に参加者には組合加盟店のうな丼チケットと、組合が地元の米菓会社と連携して商品化した「夢のうなぎあられ」がプレゼントされた。
(新美貴資)