里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】〈お菓子特集〉東海3県で味わう地産地消のお菓子・三重編「三重県産の食材をつかった洋菓子が人気の エッセンティア」

〈『DoChubu』2010年5月27日更新、2020年4月20日加筆修正〉

心と体を元気にするお菓子

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「エッセンティア」で一番の人気商品「ポンポンクリーム」

三重県鈴鹿市に県産の食材を積極的に取り入れたこだわりのお菓子を作り続けているユニークな店があります。2002年にオープンしたエコトピア洋菓子「エッセンティア」です。飾らない気さくな夫婦が営むアットホームな店で、地元の人々に親しまれています。

ケーキやクッキーなど、店にならぶたくさんの商品はすべてが手作り。厳選した質の高い食材を使い、安全や安心にも配慮したお菓子を提供しています。こだわりは食材だけでなく、お菓子を製造する工場、販売する店内のスペースまで行きわたっています。壁や床、天井には宮川の檜(ひのき)が使われており、快適な環境となっています。一つひとつの食材から店内や工場の環境まで。それぞれにこだわりがあって、おいしいお菓子を楽しんでもらいたい、という店の心意気が伝わってきます。 

宮川の檜に包まれた心地よい空間

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おいしさと一緒に楽しさや笑顔を届ける「エッセンティア」

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こだわりのお菓子を作り続けている代表の坂田さん

「お菓子作りはいつも気が抜けないんです」と話すのは代表の坂田徳隆さん。季節の変化はもちろん、日々の天候によっても温度や湿度は変わり、そのちょっとした違いがお菓子の仕上がりにも影響するそう。製造工程の一つひとつに対して常に真摯に向きあっていなければ、良質なものは作れないのです。県内産の小麦や牛乳、卵など、自身が吟味した食材を使って、お客を笑顔にするお菓子を作り続けています。

以前は東京で洋菓子店を経営していた坂田さん。気持ちのよい土地でお菓子を作れないかと考え、出会ったのが三重県の清流・宮川。生命力にあふれた豊かな自然に魅せられて、同県へと移り住んだそうです。

「心と体を楽しく元気にするお菓子作り」が同店のモットー。そのためには、作り手である自身の作業場が心地よくなければと、店内や工場の壁や床、天井には宮川の檜を使っています。宮川の檜に包まれた店内へ一歩足を入れると、木のあたたかな温もりと深い緑の香りが感じられて、なんともいえない居心地の良さを覚えます。 

10年前から意識して地元の食材を使う

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米粉でつくった「お米のシュークリーム」

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エッセンティアで人気のケーキ。右上から時計まわりにロールケーキ、 チーズケーキ、洋梨のタルト、ブルーベリータルト、鈴鹿プリン

同店で一番人気のあるケーキが「ポンポンクリーム」です。フワフワなスポンジケーキと生クリームが層になっています。さらに栗もサンドされていて、食感にアクセントを加えています。シンプルなおいしさとかわいらしい形で、大人から子供まで幅広く好まれています。

米粉シュークリーム」も人気の商品です。同店では10年ほど前から米粉を食材として取り入れ、お菓子に使っています。皮だけでなく、クリームにも小麦粉の代わりに米粉を使用。普通のシュークリームより、すこしもちっとしている食感が新鮮で、洋菓子との相性もぴったりです。米粉はケーキ作りにあう県内産のものが入手できないため、いまは県外産を使っていますが、「県内産で良いものができれば使いたいですね」と坂田さん。この他にも、シフォン(カボチャ、伊勢紅茶、あずき&伊勢緑茶の3種)、いちごの生クリーム、チーズスフレ(15cm)など、人気商品がたくさんあります。

坂田さんが地元産の食材を使い始めたのは10年ぐらい前のこと。当時はまだ「地産地消」を意識して取り組む関係者がまわりになく、食材探しも手探りで試行錯誤の連続だったそうです。小麦粉は県内産品種のものを。牛乳は自然のなかで健康に育てられた牛から搾った大内山のもの。卵は津市の養鶏場でとれた新鮮なものを使っています。食材の品質を見極めるため直接産地に足を運ぶなど、仕入先とのコミュニケーションも積極的にとっています。

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宮川の檜に包まれた店内に並ぶたくさんのお菓子

「食べてリラックスできるような、そんなおいしいお菓子を地元の人に作っていきたい」と笑顔で語る坂田さん。「地産地消」に力を入れながら、他の食材とのコラボレーションをより一層進めるのが今後の目標です。心と体を元気にするお菓子作りに向けて、坂田さんの挑戦はまだまだ続きます。

同店には、県内産の食材を使ったケーキやプリンといった生菓子をはじめ、クッキーやマドレーヌなどの焼き菓子もいっぱいです。オーダー注文も受け付けており、地方発送も行っています。詳しくはお問い合わせください。(新美貴資)

※商品に使われている食材は、時期によって変わることがあります。

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