里山川海を歩くライターの活動記録

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地元の清流で捕れた天然ウナギを味わう 下呂市で「ぎふ魚食文化サロン」

〈『日本養殖新聞』寄稿、2020年5月29日加筆修正〉

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参加者が味わった天然ウナギ

魚料理を味わいながら交流を深め、新たな魚食文化の提案を考える「ぎふ魚食文化サロン」の第8回が2012年7月14、15日の両日、岐阜県下呂市金山町であり、県内外から20名以上が参加して開かれた。

天然ウナギをテーマに企画された今回のサロン。メインとなる1日目は同町の民宿であり、第1部の講話コーナーでは、地元を流れる馬瀬川、和良川でのウナギ捕りについて2名の川漁師が説明。川魚の姿を残したまま皮を保存する「魚皮拓」が披露されたほか、民話の朗読も行われた。

続く第2部の魚食コーナーでは、地元の漁師が捕った天然ウナギの丼ぶり、アユの甘露煮など豪華な川魚料理がテーブルにならび、参加者は貴重な旬の味を堪能しながら魚食について活発に意見を交わした。

天然ウナギは、川魚料理店で下処理されたものを川漁師の大澤克幸さんがタレをつけながら、時間をかけて炭火で丹念に焼き上げた。身の厚みは普段目にする養殖ものの倍近く。適度な脂分を含んだ身は、やわらかいながらもしっかりとした食感があり、パリっと焼きあがった皮は独特の風味を放ち好評だった。

主催者で河川民俗を研究する長尾伴文さんは「魚食をテーマに人、まちづくりをしていきたい」と今後の抱負について語った。

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川漁師により炭火でていねいに焼かれていく天然ウナギ

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アユなどの川魚のつくだ煮も味わった

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さまざまな年代、地域の人びとが集まり、魚食や地域の町づくりなどについて語り合った

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金山町で合流する飛騨川(右)と馬瀬川。金山橋からの眺め

(新美貴資)

※記事の内容は、2012年7月の取材当時のものになっています。