里山川海を歩くライターの活動記録

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熟れ鮨と天然鮎魚醤を使った豪華料理を味わう 岐阜市の鮎料理「川原町泉屋」で体験イベント開催

〈『日本養殖新聞』2013年寄稿、2020年6月1日加筆修正〉

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体験プログラムの会場となった「川原町泉屋」

長良川流域のさまざまなエリアで食の体験が楽しめる「長良川まんぷく博覧会」(岐阜県、同博覧会実行委員会主催)のプログラムの一つ「熟れ鮨と天然鮎魚醤の厳選コースを召す!」(岐阜伝統食品の会主催)が2013年3月2日夜、岐阜市の鮎料理「川原町泉屋」で開かれた。

イベントには一般から19名が参加。この地方で食習慣が残っている、アユを米と一緒に発酵させてつくる熟れ鮨のほか、天然アユの魚醤を使った猪肉のソテーやピザなどの料理を味わい、長い歴史をもつ熟れ鮨・魚醤文化について学び、理解を深めた。

主催した岐阜伝統食品の会は、岐阜の食文化を広め、発信していくことを目的に活動しており、県内の企業23社からなる。今回の会場となった「川原町泉屋」を運営する「株式会社泉屋物産店」もメンバーで、社長の泉善七さんが同会の事務局長を務める。

提供された料理は泉さんが調理したもので、熟れ鮨や天然鮎魚醤も自家製。食材からこだわって厳選し、メニューも工夫を加えて創作した。参加者は香りの高い熟れ鮨や滋味豊かな天然鮎魚醤を使った数々の料理に舌鼓をうった。

食後に泉さんが料理について解説。魚醤を猪肉やモツに使った点に触れ、「脂の多い肉とよくあう」などと説明した。熟れ鮨と魚醤の歴史についても、東南アジアで生まれた起源や各国で現存しているものなど、作成した資料を配布してわかりやすく紹介。参加者は熱心に耳を傾けていた。

厳然コースのメニュー▽〈前菜プレート〉熟れ鮨2種(天然鮎・子持鮎)、鮎の白熟クリーム・リエット~バケットで、熟れ鮨とポテトの揚げ餃子、ドライフルーツ▽氷魚(アユの稚魚)のちらし鮨▽熟れ鮨とトマトソースのモツ煮込み▽子持鮎の炭火焼き~天然鮎醤につけて▽味女ドジョウ唐揚げ(天然鮎醤味)~野菜の天麩羅盛り合わせ▽郡上産100キロの猪バラ肉天然鮎醤ソテー~鮎チョビソースのサラダ添え▽鮎ピッツァ2種~氷魚とカチョカヴァロ、ジェノベーゼ▽白練ショコラ(熟れ鮨のごはんを使ったホワイトチョコ)。

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手前の皿の左から熟れ鮨(子持鮎・天然鮎)、鮎の白熟クリーム・リエット、熟れ鮨とポテトの揚げ餃子。奥の皿は氷魚のちらし鮨

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天然鮎醤につけて味わう子持鮎の炭火焼き

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鮎ピッツァ2種のうちの1つ、氷魚とカチョカヴァロ

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味女ドジョウの唐揚げ(天然鮎醤味)

(新美貴資)

※記事の内容は、取材した当時のものになります。