里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】うみたての新鮮な卵を販売する豊田市小原の「たまご村」

〈『DoChubu』2010年10月21日更新、2020年4月20日加筆修正〉

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空気のすんだ緑に囲まれたなかにある「たまご村」

豊かな緑に囲まれ、自然の恵みであふれる愛知県豊田市の小原地区。四季桜が有名なこの地区では以前から養鶏が盛んで、ブランドの「小原たまご」が特産品となっています。そのうみたての新鮮な「小原たまご」を買うことができるのが、同市北篠平町にある「たまご村」です。店を営むのは地区内で養鶏を営む業者で、顔の見える安全・安心な卵を求めて市内や名古屋などから訪れるお客でにぎわっています。

顔の見える安全・安心な卵を提供

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「たまご村」で販売されている新鮮な卵(左)、地元で生産された野菜や果物、 手づくりのジュースなども扱っています

「たまご村」がオープンしたのは平成元年のこと。「良い卵をつくっている自負があったし、お客さまに直接売りたかった」と、店を開いたきっかけについて運営する川口英之さんは話します。当時、養鶏業者が自前で販売店をもつことは全国でも珍しく、見学に訪れる同業者もいたそうです。

「卵を新鮮なうちにお客さまに届けたい」と話す川口さんが、もっともこだわるのは鮮度です。店にならぶ卵は、全てうまれて3日以内のもので、若い鶏がうんだ健康なものだけを選別しています。良質な卵は、親鶏が健康でなければ得られません。このため、2年前に鶏を飼う鶏舎のシステムも設備投資して一新。換気を良くするなど、以前より環境や衛生に配慮したものへと変えました。

「健康な鶏が産む新鮮な卵が一番おいしいのです」。自信をもって語る川口さんの言葉から、顔の見える安全で安心な卵を提供することでお客に喜んでほしい、という強い想いが伝わってきました。

「小原たまご」を通して地元もアピール

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うみたての新鮮な「たまご村」の卵。その他、濃厚な卵黄が特徴の「初卵」なども販売しています

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顔の見える安全・安心な卵を生産、販売している「たまご村」の川口さん

「たまご村」を訪れるお客の多くは名古屋、豊田市からだそう。最近は学校給食や業務用などの注文も増えていることから、「多少値段が高くても、安心しておいしい卵を食べたいというニーズが増えているのでは」と最近の消費の動向について川口さんは話します。

養鶏場の管理、たまご村の運営、県内エリアの宅配と忙しい毎日を送っている川口さん。「『たまご村』の卵は他とは違う」という、お客からの褒め言葉がなによりも励みになっているそうです。四季桜を見に訪れる観光客も多いこの地区について、「小原たまご」を通して、「もっとアピールできれば」と話す笑顔がとても印象的でした。

「たまご村」は小原地区のほか、みよし市にも店舗があり卵を販売しています。また、電話、FAXでの注文も受け付けており、名古屋、岡崎、春日井市など決まったルートでの宅配も行っています。(新美貴資)

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