〈『DoChubu』2011年7月27日更新、2020年4月21日加筆修正〉
7月14日(木)の豊浜漁港(愛知県南知多町)。雲ひとつない快晴も、潮風が絶えず吹きつけ、荷さばき場のなかはとても涼しい。夕方からのセリに備え、一日の漁を終えた漁師や浜の女性たちが、魚の仕分け作業に追われ忙しく働いています。この日の魚市場で揚がっていたのは、セイゴ、ホウボウ、カマス、イシガレイ、アジ、コチ、サバ、タチウオ、マダイ、アナゴ、シャコ、アカシャエビなど。
先月も魚市場に揚がっていて、この日も目をひいたのがイワガキ。とても頑丈で重みのあるがっしりとした殻。大きさは大人のこぶし2つ分ぐらい。潜って獲った漁師さんにうかがうと、漁場は常滑市の鬼崎沖。水深5メートルぐらいの石がごろごろしている海底で、専用のハンマーとヘラを使い、石にへばりついているイワガキをはがして獲るのだそう。
イワガキがおいしい旬の時期は6月から9月頃まで。冬場に食べるマガキとは違い、身がしっかりとしていて歯ごたえがあるのが特徴で、生をむいて、「酢でそのまま食べるのがうまい」と漁師さん。フライにするのが一般的な食べ方ですが、2つも食べるとお腹がいっぱいになる大きさです。9月までのおいしい時期に、ぜひ一度味わってみたいと思います。(新美貴資)