里山川海を歩くライターの活動記録

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【DoChubu掲載】〈おさかなブログ〉いいともあいち『地産地消推進研修会・交流会』開催

〈『DoChubu』2011年8月28日更新、2020年4月22日加筆修正〉

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ニジマスの甘露煮をほぐしてごまラー油を加えた「ます甘露」(愛知県淡水養殖漁業協同組合)

すでに地産地消体験レポートの記事で紹介されていますが、いいともあいちネットワークの地産地消推進研修会・交流会が2011年8月10日(水)に、名古屋市中区のアイリス愛知で開かれました。

愛知県では、独自の地産地消活動である「いいともあいち運動」を展開し、県内の農林水産業を応援しています。運動では、生産者団体、スーパーや飲食店などの流通・小売り関係者、消費団体までを含めたネットワークを構築し、会員同士の交流にも力を入れています。

今回の交流会でも、水産物を扱う事業者の出展があり、愛知県産の魚介類を使った商品が出品されていたので、そのいくつかを紹介します。

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(左)愛知県産のブランド魚「絹姫サーモン」。(右)骨までやわらか。まるごと食べられる「ニジマス燻」

今回の交流会には、57の企業・団体が出展しました。会場内には、県産のさまざまな農水産物や加工品などがならび、試食や意見交換をする人々でにぎわいました。

愛知県淡水養殖漁業協同組合(設楽町)は、ニジマスの甘露煮をほぐしてごまラー油、揚げニンニクを加えた新商品「ます甘露」、同じくニジマスを燻製にしたやわらかな「ニジマス燻」、ブランド魚の「絹姫サーモン」を出品してアピールしました。海の魚とはまた違った味わいが楽しめる川魚。「ます甘露」は、ごまラー油の味付けが効いていて、ご飯にもよくあいそうです。

愛知県はニジマス加工品の生産量が全国一。同組合は消費の拡大を図るため、新商品の開発に力を入れています。

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(左)海藻のアカモクを商品化した話題の 「天然あかもくセントレアの恵み」とアカモクの入ったドレッシング。(右)刻んだアカモクを麺に練りこんだ「あかもくきしめん

中部国際空港常滑市)の護岸に自生する天然の海藻・アカモクを空港会社と地元の漁師が一緒になって商品化した「天然あかもくセントレアの恵み」。これまでこの地方では食べる習慣がなく、漁師からは邪魔者扱いされていた海藻を商品に採用したことで、大きな話題となりました。

さらにパートナー企業によって、アカモクの入ったきしめんやドレッシングなど、さまざまな商品が生まれ、販売されています。

ヤマサ食品(名古屋市守山区)が製造するのは「あかもくきしめん」。昨年商品化され、さらに改良を重ねた一品です。より細かなアカモクの粉末を加え、練りこむ量もアップ。麺の色は緑色が増して、口に入れると以前よりもツルツル。のど越しの良さを感じました。ヤマサ食品が製造する「あかもくきしめん」は、セントレア内のレストランで食べることができます。

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西尾市の特産をふんだんに使った吉良のお殿様弁当「黄金堤」

五郎田(西尾市)は、地産地消をテーマにした冷凍おこわを3種類(ウナギ、アサリ、トリ)発表。地元産の米、もち米をはじめ、ウナギは市内の一色産、アサリは幡豆産を使い、こだわりの商品に仕上げています。

また今年(2011年)4月、一色・吉良・幡豆の3町との合併により新たな西尾市が誕生したのを記念して、地元の特産品を使った吉良のお殿様弁当「黄金堤」を発売。西尾のお茶、吉良の卵をはじめ、ウナギ、アサリ、シジミなどが入った豪華なメニューになっています。

県産の食材を使ったさまざま商品が、今回もたくさん出品されました。どの商品を見ても、その地域の個性が感じられ、大きな魅力として映りました。ますます広がる、いいともあいち運動の輪。県内の農林水産業を支え、地産地消に取り組む企業・団体を、今後も積極的に応援していきたいと思います。(新美貴資)

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