里山川海を歩くライターの活動記録

水産のいろんな世界を歩き見て、ひとの営みや暮らしを伝えています

アユ

〈新美貴資の「めぐる。(30)」〉川が一番ですべて 「矢田・庄内川をきれいにする会」会長 宮田照由さん

〈『日本養殖新聞』2014年11月15日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 岐阜県恵那市の夕立山に源流をもち、土岐や多治見、愛知県の瀬戸、名古屋市などの濃尾平野をぬけて、伊勢湾奥へとそそぐ庄内川。延長約96キロにおよぶ一級の都市河川は、流域に暮らす多く…

〈新美貴資の「めぐる。(27)」〉環境を守り次代へつなぐ 60年にわたり矢作川で魚の調査を続ける 梅村錞二さん

〈『日本養殖新聞』2014年9月5日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 愛知県の東西の都、名古屋と豊橋にはさまれた真ん中にあって、平野から山間部にまでひろがる県内最大の市域をもつ豊田。この広大な地域を縦断するのが矢作川。長野県の阿智村と平田村をまた…

〈新美貴資の「めぐる。(25)」〉自然が一番の遊び場 料理旅館「清竜」・「杉ケ瀬ヤナ」を経営する 森尾清左衛門さん

〈『日本養殖新聞』2014年6月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 前回に続いて、訪れたのは「水の都」。岐阜県郡上市の中心をなす八幡町から、蛇行する長良川を縫うようにしてのぼり、北へと向かう。八幡をこえて隣接する大和町にはいると、まわりを囲む、…

〈新美貴資の「めぐる。(24)」〉自然を思いやる 「郡上だも」を伝承する釣り師 成瀬博明さん

〈『日本養殖新聞』2014年5月10日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 岐阜県の中央にあって、奥美濃地方にひろがる郡上市。市の中心をなす八幡町は、長良川、吉田川、小駄良川の三川が合流する「水の都」として知られる。豊かな名水が長い年月をかけて人びとの…

〈新美貴資の「めぐる。(22)」〉親ウナギの保護へ奔走 松文養鯉場代表 松田文男さん

〈『日本養殖新聞』2014年3月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 灰色のどんよりと曇った空からは、冷たい雨がしとしとと降りそそぐ。長い冬の眠りから目を覚ます生き物たちにとっては恵みの雨。日々寒暖を繰り返す大気の変転に確かな実感をつよめ、近づく…

〈新美貴資の「めぐる。(21)」〉環境保全と情報発信に注力 馬瀬川上流漁協組合長 老田達男さん

〈『日本養殖新聞』2014年2月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 春の足音が少しずつ聞こえ始めた濃尾の平野部とはことなり、いまも真冬のまっただ中にあるのは、岐阜県の山野部にある飛騨地方。下呂市内の飛騨萩原駅から乗り合いバスに腰をおろし、曲がり…

〈新美貴資の「めぐる。(16)」〉故郷の清流とともに歩む 馬瀬川下流漁協組合長 池戸賢作さん

〈『日本養殖新聞』2013年9月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 切り立つ山々が四方にそびえ、深緑がどこまでも広がる。ようやく聞こえ始めた秋の足音は、まだずっと彼方のほう。前日の豪雨を受け、眼下の濁流はしぶきをあげて轟々と加速する。7つの河川…

〈新美貴資の「めぐる。(12)」〉自然をよく知り味方につける プロ釣り師 天野勝利さん

〈『日本養殖新聞』2013年5月25日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 1000メートルを超す山々が四方にそびえるなか、商店や民家、田畑が点在するのどかな山里が広がる。清らかな流れからうまれる心地のよい響きが、身体の芯まで伝わってくる。青空からそそぐ陽…

〈新美貴資の「めぐる。(11)」〉清流の盛衰を見守る 長良川漁師 大橋亮一さん 修さん

〈『日本養殖新聞』2013年4月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 かつて日本が誇る清流と呼ばれた長良川。美濃や飛騨の奥深い山々から生命の源泉となる流れがうまれ、いくつもの支流と相合しながら岐阜県を縦断し、伊勢湾へとそそぐ。この悠久の流れのなか…

〈新美貴資の「めぐる。(1)」〉風土がうんだ伝統の味を守る 川魚料理「魚勝」店主 佐藤勝敏さん

〈『日本養殖新聞』2012年6月15日号掲載、2020年4月13日加筆修正〉 木曽と長良の2つの河川にはさまれた水郷地帯にある岐阜県羽島市。ここで100年以上にわたり営みを続ける川魚料理「魚勝」がある。 「天然のウナギは味も香りも脂も違う」。店主の佐藤勝敏さ…