2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
〈『日本養殖新聞』2018年7月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 水産庁による水産政策の改革についての説明会が6月から全国六つの会場で開かれ、神戸会場に参加した。6月1日、政府は「農林水産業・地域の活力創造プラン(改訂版)」を決定し、水産政策改…
〈『日本養殖新聞』2018年6月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 この春に岐阜県立森林文化アカデミーを卒業した学生が「長良川和船技術継承に向けた取り組み」をテーマにした課題研究で川舟を制作した。この和舟を見ようと、美濃市にある専門学校を訪ねた…
〈『日本養殖新聞』2018年5月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 下之一色(しものいっしき、現名古屋市中川区下之一色町)は、東西の二面を庄内川と新川に挟まれた逆三角形の形をした州の上にある。かつては伊勢湾でも有数の規模を誇る漁業の町であった。…
〈『日本養殖新聞』2018年4月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 第5回「清流長良川流域の生き物・生活・産業」連続講座が2月18日、名古屋市内で開かれた。愛知県長良川河口堰最適運用検討委員会の主催で、「長良川の魅力を語りつくす!」をテーマに掲げた…
〈『日本養殖新聞』2018年3月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 2月に徳島市で開かれた「わたしは川の守人シンポジウム」に参加した。主催したのは吉野川シンポジウム実行委員会。吉野川の第十堰を壊して大規模な可動堰を作るという計画が持ち上がった時…
〈『日本養殖新聞』2018年2月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 三河湾の漁師たちの声を聞く機会があった。いま海に起こっている異変が、地元の漁業に深刻な影響を及ぼしていることを実感した。不漁に見舞われているのはシラスウナギだけではない。三河湾…
〈『日本養殖新聞』2018年1月25日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 今期のシラスウナギ漁は、記録的な不振が続いている。愛知県では昨年12月16日より採捕が始まっているが、この月の採捕量は8.6グラム(前年同月37.3キログラム。同県水産課より)と大きく落…
〈『日本養殖新聞』2017年12月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 「水産ジャーナリストの会」の12月研究会が東京都内で開かれ参加した。テーマは「漁業権開放論の危うさ~資源・地域・国境の崩壊」で、東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授が…
〈『日本養殖新聞』2017年11月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 実りと恵みの季節も終盤に入った。日中は汗ばむ陽気も、朝晩は日増しに冷え込み、長良川では寒風が吹き始める。岐阜県岐阜市ではアユの産卵が盛んで、年魚による子孫を残すための最期の戦…
〈『日本養殖新聞』2017年10月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 落ちアユの季節がやってきた。秋になるとアユは産卵期に入る。オスは精巣、メスは卵巣が成熟し、遡上した川をくだる。岐阜県の美濃地方を縦断する長良川では、中流を中心にこのときのアユ…
〈『日本養殖新聞』2017年9月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 石倉かごのモニタリング調査が行われると聞いて、9月の初めに岐阜県山県市の武儀川に向かった。同市の尾並坂峠付近に水源をもつ武儀川は、関、岐阜市を通り長良川と合流する。本流はアユの…
〈『日本養殖新聞』2017年8月25日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 ウナギの町として知られる岐阜県関市の図書館を訪れた。そこで一枚のチラシを見つける。第1回じゃちこすくい世界選手権大会。手にした紙には、そう書かれてあった。じゃちこ。聞いたことの…
〈『日本養殖新聞』2017年7月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 岐阜県郡上市の水と城の町「郡上八幡」にやってきた。そびえる山城を見上げ、歴史の年輪を感じる城下町を歩く。清らかな長良川と吉田川が合流するこの地域は、人びとの生活のなかに川があり…
〈『日本養殖新聞』2017年6月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 けっして広くはない川の両岸をおおうように、たくさんの長い竿がならぶ。釣り人たちは、流れのなかの一点を見つめて動かない。清らかな水流は緑の風景のなかで躍動する。岐阜県郡上市の和良…
〈『日本養殖新聞』2017年5月25日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 アユの季節がやってきた。海でたくさんの栄養をとり、生きる力をたくわえた稚魚は、春になると一斉に遡上して上流を目指す。このときの移動はまだ群れで、岐阜市を流れる長良川では、真っ黒…
〈『日本養殖新聞』2017年4月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 岐阜県岐阜市にある歓楽街の「柳ケ瀬」を歩く。広いアーケードが南北にいくつも走り、道の両脇には和洋中華の飲食店のほか、洋品雑貨や時計、和菓子、生鮮食品などを売るたくさんの店がなら…
〈『日本養殖新聞』2017年3月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 郡上の里に春がやってきた。城下町の八幡を中心に、山村が点在する岐阜県郡上市。清らかな水の恵みが、豊かな暮らしと多様な文化を育んだ。長い年月をかけ風土に人びとの営みが溶けこみ、自…
〈『日本養殖新聞』2017年2月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 今年初めに開店したウナギ専門店を訪ねるため、長野県飯田市に向かった。乗り込んだバスが天竜川にそって広がる伊奈谷に入ると、南信州の中核をなす都市が、盆地にはりつくようにぽっかりと…
〈『日本養殖新聞』2017年1月25日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 この冬は暖かな日がしばらく続き、この朝も小春のような天気に恵まれた。年が暮れてしまう前に、会っておきたい川漁師がいた。乗り込んだ列車は、三重県南部の太平洋に面したリアス式の海岸…
〈『日本養殖新聞』2016年12月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 雨にぬれた路面がゆっくりと乾き、頭上をおおっていた厚い雲が流れ青空がひろがる。「水のまち」と呼ばれる、岐阜県は郡上市八幡町にやってきた。 同市は長良川の上流域にあり、吉田川と小…
〈『日本養殖新聞』2016年11月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 単線の長良川鉄道に乗りこみ、始発の「美濃太田駅」を朝に発つ。この日に向かったのは、岐阜県の中央に位置する美濃市。わずかな乗客を乗せた一両は、重い駆動音と心地よい振動をひびかせ…
〈『日本養殖新聞』2016年10月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 今年5月、浜松市西区の雄踏町に新たなウナギ店がオープンした。JR舞阪駅から歩いて20分くらいのところにある「炭焼鰻はじめ」。浜名湖から近い幹道に面した店舗は、洗練されたシンプルな外…
〈『日本養殖新聞』2016年9月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 今年も「長良川DAY2016」(同実行委員会主催)が9月3、4日の両日、岐阜県郡上市で開かれた。20年以上続くこの催しは、長良川河口堰建設に反対する会(岐阜市)、長良川水系・水を守る会(郡…
〈『日本養殖新聞』2016年8月25日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 この夏も猛暑が続く。うら盆には多くの人びとが帰省し、精霊を迎え祖先の冥福を祈る。スポーツの祭典や行楽地がにぎわいをみせる一方、故郷では祭りや盆踊りが催され、列島の夏は今年もさま…
〈『日本養殖新聞』2016年7月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 名古屋の空をどんよりとした雲がおおう。この梅雨が明けると気温は一気に上昇し、丑の日に向けウナギの商戦は過熱する。名古屋駅の高層ビル群が近くに見える中川区松葉町。新しい家々がなら…
〈『日本養殖新聞』2016年6月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 昨年夏、愛知県碧南市の碧南海浜水族館で特別展「おいしいウナギの話」が開かれた。日本人にとって馴染みの深い魚でありながら、その生態に謎の多いウナギ。近年は、漁獲量が激減し絶滅危惧…
〈『日本養殖新聞』2016年5月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 桜の名所として知られる山崎川が近くを流れ、緑が多く閑静な宅地が広がる名古屋市瑞穂区の豊岡通地区。地下鉄「瑞穂運動場西駅」から歩いてすぐのところに、ウナギ専門店「うな豊」がある。…
〈『日本養殖新聞』2016年4月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 三重県の北端にあって、木曽三川を境に愛知、岐阜県と接する桑名市。近鉄とJRが乗り入れる「桑名駅」から歩いてすぐのところに、いなべ市とをむすぶ三岐鉄道北勢線の小さな始発駅「西桑名」…
〈『日本養殖新聞』2016年3月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 料亭「大森」と、ウナギ料理をメインに和食を提供する「しら河」4店舗(うち1店は持ち帰り専門)を名古屋市内で展開するしら河グループ。社長で三代目の兄・大延さんを支え、今池ガスビル店…
〈『日本養殖新聞』2016年2月15日号掲載、2020年4月17日加筆修正〉 揚がったばかりの熱々をほおばると、ウナギの濃厚な味と香りが口のなかにひろがる。愛知県西尾市にある持ち帰り専門の「グリルれんが亭本店」が販売する「一色産うなぎコロッケ」(1個350円…