ひと
〈『日本養殖新聞』2015年7月15日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 岐阜県の南東部にあって、西と南を愛知県と接する多治見市は、美濃焼の産地として知られる。尾張・名古屋のベッドタウンとして、近年発展を遂げた東濃地方の中核都市は、豊かな自然と水源に…
〈『日本養殖新聞』2015年6月15日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 「清流の国」をうたう岐阜県の中心をなす岐阜市。41万の市民が暮らす、水と緑に恵まれた風光明媚な市域には、郷土の象徴である岐阜城の天守を戴く金華山がそびえ、その麓を鵜飼で知られる長…
〈『日本養殖新聞』2015年4月15日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 愛知県名古屋市のもっとも東に位置する名東区。約16万人が生活する区域は、新興の住宅地と豊かな緑が広がり、子どもからお年寄りまで、暮らしやすい人気のエリアとして発展を続ける。同区の…
〈『日本養殖新聞』2015年3月15日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 残寒から早春へ。肌をさす寒気の痛みが少しずつやわらいで、陽光が明るさを取り戻す頃、三寒四温によって深い眠りから息を吹き返した生き物たちの脈動が、そこかしこで刻みをうち始める。恵…
〈『日本養殖新聞』2015年2月15日号掲、2020年4月16日加筆修正〉 延長166キロ。岐阜県郡上市の大日岳に源流をもつ長良川。県内を北から南に縦断し、愛知、三重県をぬけて伊勢湾へとそそぐ。83万人の流域人口を抱える一級河川は、人びととの営みを日夜繰り返…
〈『日本養殖新聞』2015年1月25日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 愛知県の東の玄関口にあたる豊橋市。全国有数の産出額を誇る農業をはじめ、化学や繊維、自動車などの工業が盛んなかつての宿場は、約38万人の人口を抱える東三河の要衝として、いまも発展を…
〈『日本養殖新聞』2014年12月15日号掲載、2020年4月16日加筆修正〉 岐阜県美濃地方の中濃と西濃にはさまれたなかにある岐阜地区。地区の南部に位置する各務原(かかみがはら)市は、県庁のある岐阜市と隣接し、南端を流れる木曽川をはさんで愛知県と向かい…
〈『日本養殖新聞』2014年11月15日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 岐阜県恵那市の夕立山に源流をもち、土岐や多治見、愛知県の瀬戸、名古屋市などの濃尾平野をぬけて、伊勢湾奥へとそそぐ庄内川。延長約96キロにおよぶ一級の都市河川は、流域に暮らす多く…
〈『日本養殖新聞』2014年10月15日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 青空に浮かぶうろこ雲をあおぎ、頬をなでるひんやりとした風を受け、深まる秋の訪れを知る。観光客でにぎわう岐阜県の郡上八幡をこえて、一路北上。たどり着いた白鳥の街から、さらに曲り…
〈『日本養殖新聞』2014年9月25日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 夏の終わりから秋の始まりへ。盛夏の勢いが陰り、陽光にやわらかさが感じられるようになった頃、降り立ったのは三重県の津駅。改札をぬけると、どんよりと曇った午後の空からはぽつぽつと雨…
〈『日本養殖新聞』2014年9月5日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 愛知県の東西の都、名古屋と豊橋にはさまれた真ん中にあって、平野から山間部にまでひろがる県内最大の市域をもつ豊田。この広大な地域を縦断するのが矢作川。長野県の阿智村と平田村をまた…
〈『日本養殖新聞』2014年7月15日号掲載、2020年4月15日加筆修正〉 三重県の北勢地域にあって、人口31万人を抱える県内最大の工業都市・四日市。臨海部は、高層に煙突がそびえ、広大な工業地帯がどこまでも続く。石油化学コンビナートから近いJR「四日市駅」…
〈『日本養殖新聞』2014年6月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 前回に続いて、訪れたのは「水の都」。岐阜県郡上市の中心をなす八幡町から、蛇行する長良川を縫うようにしてのぼり、北へと向かう。八幡をこえて隣接する大和町にはいると、まわりを囲む、…
〈『日本養殖新聞』2014年5月10日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 岐阜県の中央にあって、奥美濃地方にひろがる郡上市。市の中心をなす八幡町は、長良川、吉田川、小駄良川の三川が合流する「水の都」として知られる。豊かな名水が長い年月をかけて人びとの…
〈『日本養殖新聞』2014年4月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 水郷地帯がひろがる岐阜県の南西部にあって、愛知と三重の両県に接し、長良川や揖斐川など、いくつもの河川が南下する海津市。初春の陽気がただようなか、乗り合いバスに飛び込み、のどかな…
〈『日本養殖新聞』2014年3月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 灰色のどんよりと曇った空からは、冷たい雨がしとしとと降りそそぐ。長い冬の眠りから目を覚ます生き物たちにとっては恵みの雨。日々寒暖を繰り返す大気の変転に確かな実感をつよめ、近づく…
〈『日本養殖新聞』2014年2月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 春の足音が少しずつ聞こえ始めた濃尾の平野部とはことなり、いまも真冬のまっただ中にあるのは、岐阜県の山野部にある飛騨地方。下呂市内の飛騨萩原駅から乗り合いバスに腰をおろし、曲がり…
〈『日本養殖新聞』2014年1月10日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 卓上にならぶ天然と養殖のウナギ。さわやかな脂が口のなかで溶ける天然ものと、濃厚な味わいが後をひく養殖もの。どちらも職人の手によって調理された風味絶佳な蒲焼き。これを楽しみに訪れ…
〈『日本養殖新聞』2013年12月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 「ウナギってこんなに香ばしかったっけ」。その味を十分に知っているはずの年輩の男性客が目を丸くし、夢中になって丼をかきこむ。初老の男女グループや若者の二人連れ、中高年のサラリー…
〈『日本養殖新聞』2013年11月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 昨年12月に地域ブランドとして商標登録された愛知県の「豊橋うなぎ」。ウナギについての登録は、全国でも「一色産うなぎ」に次ぐ2件目となる。その名称は、安全で安心な豊橋の地下水で育て…
〈『日本養殖新聞』2013年10月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 三重県津市の郊外にあって、のどかな田園風景が広がる一身田(いっしんでん)地区。伊勢神宮へ供える御供米がつくられてきたという由緒あるところで、浄土真宗高田派の本山・専修寺がある…
〈『日本養殖新聞』2013年9月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 切り立つ山々が四方にそびえ、深緑がどこまでも広がる。ようやく聞こえ始めた秋の足音は、まだずっと彼方のほう。前日の豪雨を受け、眼下の濁流はしぶきをあげて轟々と加速する。7つの河川…
〈『日本養殖新聞』2013年8月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 人口28万人を抱える三重の県庁所在地である津。その名が表す通り、古くは海港として栄えた。戦国期にこの地方を襲った明応地震や発展の礎を築いた藩祖・藤堂高虎による統治など、さまざまな…
〈『日本養殖新聞』2013年7月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 高層マンションや一戸建てがならぶ、閑静な住宅街が広がる名古屋市瑞穂区の豊岡通地区。近くには、かつて国体の舞台にもなった陸上競技場やラグビー場のほか、野球場などをかね備える広大な…
〈『日本養殖新聞』2013年6月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 陽の傾きがすこしずつ増し、照りつける日差しにやわらかさがうまれる初夏のとある日の夕方、香ばしいウナギのにおいが立ち込める店内に、買い物かごを手にした年配夫婦が仲良くふらりと立ち…
〈『日本養殖新聞』2013年5月25日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 1000メートルを超す山々が四方にそびえるなか、商店や民家、田畑が点在するのどかな山里が広がる。清らかな流れからうまれる心地のよい響きが、身体の芯まで伝わってくる。青空からそそぐ陽…
〈『日本養殖新聞』2013年4月15日号掲載、2020年4月14日加筆修正〉 かつて日本が誇る清流と呼ばれた長良川。美濃や飛騨の奥深い山々から生命の源泉となる流れがうまれ、いくつもの支流と相合しながら岐阜県を縦断し、伊勢湾へとそそぐ。この悠久の流れのなか…
〈『日本養殖新聞』2013年3月15日号掲載、2020年4月13日加筆修正〉 「うなちゃんのパワーは魚界一 一色の名物ハイハイ大提灯 ソレソレソレ・ググット・ググット ハイハイハイハイ持ち上げる~!」。 軽快なリズムと親しみやすいメロディにのって、まっすぐ伸…
〈『日本養殖新聞』2013年2月15日号掲載、2020年4月13日加筆修正〉 岐阜県の中濃と東濃のちょうど間にあって南を愛知県に接し、名古屋のベッドタウンとして発展をとげてきた可児(かに)市。古くからの自然と新興の住宅がおりなす穏やかな地域は、昔から窯業…
〈『日本養殖新聞』2013年1月10日号掲載、2020年4月13日加筆修正〉 養鰻の一大産地として全国に知られている愛知県西尾市一色町。遠浅な三河湾の海岸線に沿って広がる平野には、池をおおうハウスが点在し、歩いているとウナギの町の特色があちこちから視界に…